ガムを噛むことにより、顔の筋活動・表面温度が上昇することが明らかに!石原医師「“夏老け肌”対策には顔の新陳代謝を上げることが重要。」
~ガムを噛むことによる美容メリットを解説~
株式会社ロッテ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長執行役員:中島英樹、以下ロッテ)は、ガム咀嚼と顔表面の筋活動への影響に関する研究を実施し、「ガムを噛むことで顔表面温度が上昇すること」を確認しました。本研究成果は日本抗加齢医学会誌「アンチ・エイジング医学(2024年6月号)」に掲載されました。
イシハラクリニック医師
石原新菜先生によると、7~8月は紫外線量が最も多く、また、気温の上昇やエアコン等による激しい気温差などにより、肌のバリア機能が低下し、ターンオーバーが乱れ、肌がぐっと老けたように見える“夏老け肌”に要注意です。夏老け肌の対策として、顔の表面温度を上げて、肌の新陳代謝を上げることが重要です。本研究で判明した「ガムを噛むことにより、顔の表面温度が上昇すること」は、簡単且つ安価でできるため今すぐできる夏老け肌ケアとしておすすめです。また、ガムを噛むことで、口周りだけでなく目の周りといった顔全体の筋肉が動くため、シワやたるみの改善、豊かな表情作りにつながる可能性があります。
* 研究概要
近年では、顔の筋肉に着目し、マッサージやフェイシャルエクササイズなどで鍛えることによるたるみ改善を目指した美容器具やメソッドも多々存在します。咀嚼によるトレーニングは直接肌に触れることなく、舌筋や表情筋など多くの筋肉へ作用することが分かっています。
以前、継続的な咀嚼トレーニングによるフェイスライン角度への影響(※)について報告し、咀嚼による筋活動が活動部位の形態的変化に影響する可能性が示唆されました。そこで、本研究では、ガム咀嚼による筋活動状態を筋電図および顔表面温度により複数部位観察する検証を行いました。
(※)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000110734.html(2023年7月18日)
【対象】健常成人(25-53歳)12名
【方法】無摂取、ガム2粒の咀嚼をそれぞれ3分あるいは10分間行い、筋活動状態を筋電図および顔表面温度により複数部位検討しました。
* 研究結果
ガム咀嚼中は計測した全部位(咬筋、眼輪筋、口輪筋、顎二腹筋相当部)において、有意な筋活動の増加が認められました。顔表面温度でも頬、正面、口辺において無摂取時と比較し、ガム咀嚼で有意に上昇しました。
また、咀嚼終了から3分後でも、両頬正面の温度上昇の継続が観察されました。
* 医師が夏老け肌対策を徹底解説!ガム咀嚼による顔表面温度上昇で肌の新陳代謝上昇、くすみや目の下のクマの解消の可能性!
夏のお肌の悩みは紫外線量が増加することによる肌のダメージや冷房や冷たい飲み物による肌の冷えが多く、1年の中で最も肌の老化が加速しやすい時期といわれています。イシハラクリニックの石原先生に、ガム咀嚼で顔の表面温度が上がることで得られるメリットをご紹介いただきます。
<石原先生コメント>
夏老け肌対策に、“ながら”でできる「ガムトレ」がおすすめです!ガムを噛むことにより、顔の筋肉が活動して、顔の表面温度が上昇します。表面温度上昇により、肌の新陳代謝の活性化にも繋がり、くすみや目の下のクマ解消が期待できます。肌の新陳代謝上昇により、ターンオーバーが促進され、きめ細やかな肌にもつながる可能性があります。さらに、血流が増加して、肌のハリやほうれい線に良い影響があることも期待できます。血流増加で表情筋もやわらかくなり自然で明るい笑顔が作れるようになるでしょう。
7~8月は紫外線量がピークになり、肌へのダメージが増加するだけでなく、冷房や冷たい飲み物による冷えも考えられるため、日常生活からガムを噛んで、顔の表面温度を上げる対策をしてみてはいかがでしょうか。ガムを噛む
ことは、沢山のメリットがあり、ながらでできるため、忙しい人にもおすすめのアンチエイジングです。
* ロッテ噛むこと研究部 コメント
ガムを噛むことでフェイスラインが整うことが以前の研究で分かっていました。今回、顔の表面温度の上昇にも寄与するという、ガムを噛むことで得られる新しいメリットが分かりました。上記以外でも、「噛む」というリズム運動によりセロトニン神経が刺激され、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」分泌が増加することも分かっており、自律神経の調節、覚醒作用、集中力を高めたりする作用などにつながります。また、日常生活や仕事、勉強中などにガムを噛んでもらうと、ストレスや不安感、気分の落ち込みを低減する作用などが報告されています。
夏場は室外と室内の寒暖差による体温調節の負担があり、自律神経の乱れが起きやすくなる傾向が高いと言えるでしょう。ガムを噛むことは、日常生活において簡単にできるので、お手軽な対策方法として取り入れてみてください。
* 専門家 プロフィール
イシハラクリニック 医師 石原 新菜(いしはら にいな)
医師・イシハラクリニック副院長 ヒポクラティック・サナトリウム副施設長
健康ソムリエ理事 ロングライフラボ理事
2000年4月帝京大学医学部に入学。
2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。
<研究結果概要>
【掲載紙】
アンチ・エイジング医学ー日本抗加齢医学会(2024年20巻3号、36-41)
ガム咀嚼による顔表面の筋活動への影響―オープンランダム化クロスオーバー比較試験―
著者:松井 美咲、菅野 範、大澤 謙二、岡林 一登(所属:株式会社ロッテ 中央研究所)
【研究背景・目的】
顔には様々な筋肉が存在し、大別すると咀嚼に必要な咀嚼筋に加え、一般的に表情筋と呼ばれている表情を作るために必要な筋肉などがあるが2)3)、咀嚼することで咀嚼筋が動くことにより、連動して舌筋や表情筋など多くの筋肉へ作用することが知られています。1)4)5)
近年では、顔の筋肉に着目し、マッサージやフェイシャルエクササイズなどで鍛えることによるたるみ改善を目指した美容器具やメソッドも多々存在します10-12)。一方咀嚼によるトレーニングは直接肌に触れることなく簡便に上記に示したような多くの筋肉へ作用します。
以前我々は継続的な咀嚼トレーニングによるフェイスライン角度への影響について報告しましたが13)、筋活動について特に言及しておらず、また、以前の報告でのガム咀嚼は1回あたり2粒咀嚼と限定しており、粒数の増加による影響は不明でした。
本研究では、ガム咀嚼による筋活動状態を筋電図および顔表面温度により複数部位観察するとともに、ガム2粒咀嚼に加えて4粒咀嚼による影響も併せて検討することを目的としました。
【研究方法】
【対象】25-53歳の健常成人12名
【方法】2粒あるいは4粒のガム咀嚼中の筋活動状態を筋電図および顔表面温度により複数部位検討しました。
【結果・考察】
筋電図計測の結果、ガム咀嚼により無摂取時と比較し2粒、4粒ともに咬筋、眼輪筋、口輪筋、顎二腹筋相当部において有意な筋活動の増加が認められました。顔表面温度でも頬、正面、口辺において無摂取時と比較し、2粒、4粒のガム咀嚼で有意に上昇しました(群間比較)。また、咀嚼終了から3分後でも、2粒、4粒ともに両頬で、2粒では正面でも温度上昇の継続が観察された。一方、ガムの粒数による筋活動の有意な変化は認められませんでした。
参考文献
1) 増田裕次. 口から食べるということと脳 1.咀嚼運動のメカニズム. 日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学. 2016 ; 36 : 231-234.
2) TV Arx, MJ Nakashima, S Lozanoff. The Face – A Musculoskeletal Perspective. A
literature review. Swiss Dent J. 2018 ; 128 : 678-688.
3) AJ McComas. Oro-facial muscles: internal structure, function and ageing.
Gerodontology. 1998 ; 15 : 3-14.
4) SW Herring, AF Grimm, BR Grimm. Functional heterogeneity in a multipinnate
muscle. Am J Anat 1979 ; 154 : 563-576.
5) 服部佳功.三次元咬合力に基づく咬筋の機能的分化に関する研究.東北大歯誌 1991;10:1-11.
10) H Nishimura, I Okuda, N Kunizawa, et al. Analysis of morphological changes
after facial massage by a novel approach using three-dimensional computed
tomography. Skin Res Technol. 2017 ; 23 : 369-375.
11) 西銘亮, 唐井直子, 榊原桜. 表情筋ローラーの及ぼす効果. 名古屋文化短期大学研究紀要. 2018 ; 13-19.12) 金子剛, 宮田晃史,
児玉朗. 化粧品美容液とフェイシャルマッサージを併用した際の,顔のたるみとほうれい線に対する効果. 診療と新薬. 2019 ; 56 : 763-768.
13) 松井美咲, 菅野範, 大澤謙二ほか. ガム咀嚼によるフェイスラインへの影響 -オープンランダム化並行群間比較試験- 2023 ; 19 :
247-51.
* 「噛むこと研究部」とは
「噛むこと研究部」は、ロッテが社会のためにできることとして、2018年に設立。様々な自治体や研究機関・企業と連携し、“噛むこと”を通じて世の中に貢献したい、最適な“噛む”を提供することで皆さまの力になりたい、という思いを掲げて活動しています。その活動のひとつとして、現在、様々なスポーツチームやアスリートに向けて、“噛むこと”についてのサポートをしています。
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