(共同リリース)JAL×理化学研究所スーパーコンピュータ「富岳」を活用した研究を実施                            

2020年11月26日

日本航空株式会社

理化学研究所

日本航空株式会社(本社:東京都品川区、 代表取締役社長:赤坂祐二、 以下「JAL」)と理化学研究所(本部:埼玉県和光市、 理事長:松本紘、 以下「理研」)は、

世界一の計算性能を誇るスーパーコンピュータ「富岳」の計算資源を活用して、 航空機内における新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する研究を行っています。

今回はその一環として、 機内の空気循環システムの効果検証と、 その効果を踏まえた機内における飛沫の予測を行った結果、

機内の空気の清潔性とマスク着用の重要性を確認しました。

本研究結果に関する情報はオープンデータ化し、 広く社会の皆さまにご覧いただくとともに、 航空業界全体において実効性のある対策につなげることを目指します。

JALと理研は、 今後も「富岳」を活用した科学的知見をもとに研究を重ねていくことで、 さらなる新型コロナウイルス感染症の感染防止に努め、

社会に貢献してまいります。

※本実施課題は文部科学省「新型コロナウイルス研究・対策へのスーパーコンピュータ『富岳(ふがく)』の試行的利用」、 内閣官房「スマートライフ実現のためのAI

等を活用したシミュレーション調査研究業務」の支援を受けて実施しています。

■研究結果(シミュレーション結果)

機内空気循環システムの効果

仮想的にウイルス飛沫で汚染された空気を機内に満たし(下図:赤色)、 エアコン換気でどのように浄化(下図:青色)されていくかを評価。 外気換気のほか、

循環空気についても高性能空気フィルター(*1)によりウイルス除去され、 3分程度で機内の空気は浄化されることが確認できた。

(*1)High-Efficiency Particulate Air (HEPA) Filter

:0.3ミクロンのサイズの粒子に関して99.97%以上の粒子を捕集する。 直径0.1ミクロン程度の新型コロナウイルスは、 不規則な動きをするため、

フィルター繊維にあたって捕捉される。

(参考) 機内空気循環システムのイメージ

https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/200403/index.html

マスク着用有無による飛沫の予測

・ 機内でマスクを着用せずに咳をした場合、 10ミクロンより大きい飛沫は咳をした人の前方1m以内に落下、

10ミクロン以下の小さい飛沫はエアコンの風に乗って空中を漂うが、 機内の空気循環システムにより3分程度で客室内から排除される。

・飛沫の拡散は着席姿勢によって影響を受け、 通常姿勢の場合は前列シートの背もたれがパーティションのような役割をすることで、 大きい飛沫の拡散を抑えている。

・小さい飛沫は、 リクライニング姿勢の場合、 通常姿勢の場合よりも広範囲に拡散する。

マスクの着用により、 発生する飛沫を3分の1まで抑え、 機内に拡散する飛沫を大幅に抑えられることが確認できた。 (*2)

・発生する飛沫そのものを減らす観点で、 マスクの着用による感染リスク低減効果は大きい。

(*2)

・通常姿勢時におけるマスク着用有無の比較:Webページ内動画参照(

https://press.jal.co.jp/ja/release/202011/005866.html)

・リクライニング姿勢時におけるマスク着用有無の比較:下図参照

マスクを着用せずに咳をした場合 マスクを着用して咳をした場合

* 研究結果詳細

以下理研計算科学研究センターHPをご参照ください。

https://www.r-ccs.riken.jp/outreach/formedia/201126.html

以上

配布先:文部科学記者会、 科学記者会、 大阪科学・大学記者クラブ、 兵庫県政記者クラブ、

神戸市政記者クラブ、 神戸民間放送記者クラブ、 関西プレスクラブ、 国土交通記者会