JTB総合研究所「令和6年能登半島地震と訪日旅行への意識12か国・地域調査」
訪日旅行への意識に影響はあるものの、一方で地震が発生した地域に関心を持つきっかけにもなっている。また、訪日意向がある旅行者は、「現地の状況についてもっと知りたい」という声も多く、詳細な情報提供による不安の払しょくが早い回復につながると期待される。
株式会社JTB総合研究所(東京都品川区 代表取締役社長執行役員 風間 欣人)は、令和6年能登半島地震と訪日旅行への意識に関する調査結果をまとめました。
地震の発生から3か月以上経った今も、被災地では日常を取り戻すための努力が続けられています。当社は今後の地域経済の回復・発展にとって、訪日旅行者の誘致は重要な要素のひとつと考え、地震の訪日旅行への影響に関する意識調査を12の国・地域で実施しました。今回の結果から、訪日旅行への意識に影響はあるものの、一方で地震が発生した地域に関心を持つきっかけにもなっていることがわかりました。また、訪日意向がある旅行者は、「現地の状況についてもっと知りたい」という声も多く、詳細な情報提供による不安の払しょくが早い回復につながると期待されます。
JTB総合研究所は、人々の豊かな暮らしと豊かな地域の実現のために、広く観光に関わるみなさまにお役立ていただける情報発信を目指し、今後も努めてまいります。
【調査結果概要】
* 訪日旅行意向はいずれの地域でも高く、東南/南アジアでは8割を超える。
欧米豪は若年層の関心が高い傾向
〇12の国・地域全体での訪日旅行意向は71.9%で、地域別には東アジアが79.1%、東南/南アジアは82.0%と8割前後が訪日旅行に関心を持っています。欧米豪は、全体では60.0%ですが、20代は68.0%で7割近くとなり、年齢が若いほど訪日旅行への関心が高いことがわかります。
* 地震の影響はあるものの、訪日旅行に関心がある人は「旅行の際の現地の状況についてもっと知りたい」、「ニュースで北陸地域を知り、関心を持った」が上位。欧米豪は他の地域と比べて地震の影響が少ない
〇
訪日旅行に「関心があって、いきたい」と回答した人に、能登半島地震による訪日旅行、および、北陸地域の訪問への影響を聞いたところ、全体では「北陸地域を旅行する際の、現地の状況についてもっと知りたいと思った(27.7%)、「地震のニュースで北陸地域を知り、関心を持った(26.3%)」の割合が、「ここ1~2年は日本旅行を控えたくなった(23.8%)」、「しばらくの間、北陸地域を訪れるのは避けようと思った(23.1%)」を上回りました。
〇地域別にみると、欧米豪からの旅行者は「訪日旅行への影響は特にない(30.7%)」が最も高くなりました。また、「しばらくの間、北陸地域を訪れるのは避ける」は14.1%と低く、他の地域と比べて地震の影響が少ないことがわかります。
* 訪日旅行でしてみたいことは、「自然景観をみる」、「日本料理を食べる」、「温泉」が安定的に人気。
東アジアは、より「食」や「温泉」への関心が高く、欧米豪は「日本の日常生活に触れる」ことへの関心が高い
〇訪日旅行でしてみたいことに関しては、全体では定番の「自然景観を楽しむ」、「本場の日本料理を食べる」、「日本の伝統的な郷土料理を食べる」、「温泉」、「日本文化の体験」などが上位となり、日本を代表するコンテンツとして安定的な人気であることがわかりました。
〇地域別に違いのある項目をピックアップしてみると、東アジアは「本場の日本料理を食べる」や「食料品などの買い物」の割合が他地域と比べて高く、「食」への関心が高い傾向がみられました。また、東アジア、東南/南アジアでは「ファッション雑貨や日本製コスメの買い物」なども比較的割合が高くなっています。欧米豪の旅行者は、「日本の日常生活に触れる」、「他の外国人が行かないような場所を訪れる」の割合が比較的高い傾向がみられ、地域に入りこむような観光を求めている可能性が感じられました。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査会社が保有しているモニター対して、webアンケート調査を実施
対象国・地域(カッコ内サンプル数):
【東アジア】中国(541)、香港(489)、台湾(540)、韓国(540)
【東南/南アジア】タイ(541)、シンガポール(537)、インド(571)
【欧米豪】イギリス(540)、フランス(544)、ドイツ(540)、アメリカ(540)、オーストラリア(539)
対象者:各国・地域に居住する20歳以上の男女
調査時期:2024 年3月14日~18 日
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【お問い合わせ】
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