医療的ケア児や家族はもっと欲張りになっていい!新たな支援拠点が栃木県小山市でオープン

医療的ケア児から始めるインクルーシブキャンププロジェクトを推進するBuranoが栃木県小山市に自然に囲まれた新たな拠点を整備

医療的ケア児とその家族のチャレンジを応援する一般社団法人Burano(本部:茨城県古河市、代表理事:秋山未来、以下Burano)は、この度、「日本財団

みらいの福祉施設建築プロジェクト2021」に採択された「医療的ケア児と家族がもっと欲張りになれる拠点」をオープンします。この新拠点は、福祉施設が地域社会に開かれた魅力ある場所となり、医療的ケア児やその家族と地域を繋げ、より多様な社会へと推し進める役割を担っていきます。

社会と繋がることが難しい子どもたちの新たな挑戦が、これからの地域の未来を作っていきます。

■医療的ケアが必要な子どもと家族の欲張り拠点とは?

医療的ケアが必要なことで、幼稚園・保育園から入園を断られ、地域とつながる機会が持てずに18歳を迎える子がいます。

地域と繋がること、同世代の子どもたち同士で遊ぶこと、自然に身を置いて鳥や虫の鳴き声を聞くこと。子どもたちにとっては当たり前の機会が、障害があることで得られていない実態があります。

そんな地域社会のあり方を変えたいという想いから、地域に開かれ、さまざまな挑戦ができる欲張りな拠点を整備しました。

■新たな社会課題「医療的ケア」とは?

小児医療の発展によって、日本は世界で最も赤ちゃんの亡くならない国(ユニセフ報告書『Every Child

ALIVE』※1)となりました。人工呼吸器をつけていたり、酸素を必要としていたり、痰が喉に詰まり窒息する恐れがあるため多頻度で痰の吸引を必要とする「医療的ケア児」は、現在全国2万人(厚生労働省資料※2)となり年々急増しています。入院生活が長く、退院後も体調を崩して再入院となったり、時に手術が必要となるため、多くの子どもたちが当たり前に経験していることを経験できないまま成長し、時には病気によって命を落としてしまうこともあります。

■どんな場所なのか?

親たちが立ち上げたBuranoは、子どもたちの「やりたい」気持ちや家族の想いに寄り添ってきました。地域から孤立し「人の目が怖い」と感じている家族にとって「やりたい」気持ちをかなえる場所は限られます。新拠点のテーマは「エンガワの延長による、繋がりの再構築」です。「ウッドデッキ」が内と外の境界をぼかし、さらに「はらっぱ」や「森」、「はなれ」が中間領域となりゆるやかに地域とBuranoを融合させていきます。

その結果、子どもたちと家族がそれぞれの距離感で地域と繋がれるように。医療的ケアが必要な子どもたちの「やりたい」を地域でかなえていくことが「どんな人でもやりたいことに向き合える」未来に繋がり、社会をより豊かにしていきます。Buranoはその最初の一歩を踏み出す場所です。

※プランシートは下記リンクからご確認ください。

https://fukushi-kenchiku.jp/archive/2021/pdf/NPF0260.pdf

栃木県小山市間々田にある屋敷林として使われていた森を購入し、このプロジェクトはスタートしました。もともと自生していた木々たち(その数なんと60種以上)を痛めないよう慎重に伐採し、杉や檜は製材所まで運び出し、製材加工し新たに外壁や内装にふんだんに再活用しています。

また他の木々も丁寧に残し、昔から地域の風景となっている在来の植物たちが豊かな自然環境を作っています。気温も暖かくなり敷地内の木々たちも緑の葉をつけ、訪れる度に緑が増え成長の変化を感じることができます。

■Buranoのこれまでについて

Buranoは2018年4月に、医療的ケア児の多機能型デイサービスと母親の就労支援、そして医療的ケア児のきょうだいの支援を複合的に実施する日本で唯一(2018年当時)の拠点をスタートさせました。その後、2021年10月には医療的ケア児から始まるインクルーシブキャンププロジェクトを実施し、キャンプガイドブックとポータルサイトを開設。2024年2月にはすべての子どもたちのためのインクルーシブなキッズフェスを開催しました。これまで様々なプロジェクトを実施してきたBuranoの次なる挑戦は、もっと子どもたちと家族が欲張りになれる拠点の整備でした。

■日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクトとは?

公益財団法人

日本財団が主催する「みらいの福祉施設建築プロジェクト」とは、地域社会から愛され、地域福祉の拠点となる社会福祉施設をめざして、事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築関連助成事業を募集する、日本財団が2021年にスタートした助成プログラム(※3)です。

Buranoの新たな拠点は、この助成プログラムの第1回目(2021年)に採択された拠点であり、申請件数472事業の中から選ばれた6拠点のうちの一つです。

■設計チームについて

設計:NIDO一級建築士事務所 飯野勝智

ランドスケープデザイン:株式会社プランタゴ 代表 田瀬理夫

コミュニケーションデザイン:株式会社ミーティング 木下博司

■Burano プロジェクトリーダー 秋山より

たくさんの方々に支えていただき、磨き上げた新たな拠点がついにオープンします。子どもたちは、この場所で豊かな自然に触れ、木々の成長や季節の変化を全身で感じることができます。少し散歩するだけで地域住民の方との出会いが繋がり、その出会いが地域の未来を豊かにしてくれます。医療的ケアが必要でも、子どもたちも家族ももっと欲張りに人生を楽しんでほしい。そんな想いを実現するための場所です。

これからも子どもたちと家族のために新しいチャレンジを進めたいと思います。ぜひ応援をお願いします。

■Buranoへの応援・寄付について

寄付はこちら:

https://burano.or.jp/support/

新拠点オリジナルグッズはこちら:

https://suzuri.jp/Burano

■参照

※1 ユニセフ報告書『Every Child ALIVE』(

https://www.unicef.or.jp/news/2018/0023.html

※2 医療的ケア児について(

https://www.mhlw.go.jp/content/000981371.pdf

※3 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト(

https://fukushi-kenchiku.jp/archive/2021/index.html

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