メディカルノートと京都大学医学部附属病院、共同でがんの医師主導治験被験者を募集

2023年12月25日

株式会社メディカルノート（東京都港区、代表取締役CEO：梅田裕真、代表取締役：井上

祥、以下、メディカルノート）は、国立大学法人京都大学医学部附属病院（京都市左京区、病院長：高折

晃史）が実施している「切除不能進行再発食道がん及び胃がんに対する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)と光線力学的療法(PDT)の併用療法の有効性と安全性を評価する多施設共同第II相医師主導治験」の被験者となっていただける患者様の募集を支援しています。

治験の背景

現在、切除不能の胃がんや切除不能の食道がんの初回治療として、免疫チェックポイント阻害剤と殺細胞性抗がん剤を用いた化学療法の併用（複合がん免疫療法）が標準となっています。しかし、殺細胞性抗がん剤を用いた化学療法の多くは、がん細胞だけを“狙い撃ち”にする「特異性」が低く、免疫機能の低下などの副作用を伴うことから、免疫チェックポイント阻害剤自体が十分な効果を発揮しにくくなっている可能性が懸念されます。そのため、免疫チェックポイント阻害剤の作用を増強する新たな複合がん免疫療法の開発が求められています。

治験の概要

本治験は、光線力学的療法と免疫チェックポイント阻害薬による治療を併用した際の有効性と安全性を評価することが目的です。

光線力学的療法では、腫瘍（原発巣）にレーザーを照射することで起こる細胞障害によって、破壊されたがん細胞から特異的な抗原が放出されると考えられます。そのため、放出された抗原によって患者さんの免疫の“スイッチ”を入れ、がんに対する免疫反応を引き起こすことが期待されます。

免疫チェックポイント阻害剤は、さまざまな免疫細胞の働きを抑制する「免疫チェックポイント」の働きを邪魔することで、がん細胞に対する免疫を活性化させる薬です。

光線力学的療法と免疫チェックポイント阻害剤を併用することでがん細胞に対する全身性かつ持続的な免疫の活性化を引き起こすことができれば、レーザーを照射した部位（原発巣）だけでなく転移巣などでも効果が期待できると考えられます。

免疫チェックポイント阻害剤、光線力学的療法はいずれも現在、一般的に行われている治療ですが、併用による複合がん免疫治療は実施されていないため、予期せぬ副作用などが発生する可能性もあります。

治験では、併用によって期待された効果が得られるか、また、予期せぬ副作用などが起こらないかなどを調べます。

治験の対象となるのは、切除不能進行再発胃がんもしくは切除不能進行再発食道がんと診断された患者さんで

１.免疫チェックポイント阻害剤を含む化学療法を初回治療として予定している

２.免疫チェックポイント阻害剤で治療後に病勢進行が確認されている

――のいずれかの基準を満たす場合です（ほかにも適格基準があります）。ランダム化比較試験ではなく、同意いただいた患者さんのがん腫・治療内容によって、決められた治験治療が行われます。