ニッカウヰスキー 創業90周年、新コミュニケーション・コンセプト“生きるを愉しむウイスキー”策定

創業90周年、新コミュニケーション・コンセプト“生きるを愉しむウイスキー”策定 樽貯蔵庫の新設など新たに60億円の設備投資を実施。創業90周年記念商品

やコンセプトを体感できる場を世界各国で展開 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 松山一雄)とニッカウヰスキー株式会社(本社 東京、社長

爲定一智)は、本年創業90周年を迎えるニッカウヰスキーの洋酒事業を強化します。新たに60億円を投じ樽貯蔵庫の新設などを進め、ニッカウヰスキーの事業を成長戦略の一環として強化します。新たなコミュニケーション・コンセプト“生きるを愉(たの)しむウイスキー”を掲げ、創業90周年記念商品やコンセプトが体感できる場を世界各国で展開します。

■新たなコミュニケーション・コンセプト“生きるを愉しむウイスキー”策定

ニッカウヰスキーが創業90周年を迎えるにあたり、新たなコミュニケーション・コンセプト“生きるを愉しむウイスキー”を策定しました。ウイスキーが持つ豊かな個性や多様な楽しみ方を通して、人生そのものを愉しんでほしいという思いを込めました。このコンセプトをベースとして、お客さまにニッカウヰスキーならではのユニークな魅力とウイスキーの多様な楽しみ方を提案していきます。

■60億円の設備投資を実施し、製造拡大を目指す

需要が高まる国産ウイスキーを将来にわたって安定的に供給することを目的に、本年ニッカウヰスキーの製造設備を約60億円かけて増強します。栃木工場に樽貯蔵庫を新設し、本年9月から稼働するほか、余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所での新たな貯蔵庫の設計着手や樽を購入します。栃木工場の樽貯蔵庫が稼働することで、貯蔵能力は2021年比べで1割増となります。

これまで2015年~2017年にかけて約60億円、2019年~2021年にかけて65億円を投じて、ニッカウヰスキーの生産体制を強化してきました。今後も設備投資を継続的に行うことで、国産ウイスキーの長期的な安定供給体制の構築に取り組みます。

■創業90周年記念商品『ザ・ニッカ ナインディケイズ』数量限定発売

ブレンデッドウイスキー「ザ・ニッカ」の限定商品『ザ・ニッカ

ナインディケイズ』を7月2日から2,000本(日本1,000本、海外1,000本)、10月に2,000本(日本1,000本、海外1,000本)の計4,000本を発売します。バーやホテルバーなどを中心に販売するほか、ニッカウヰスキーの各蒸溜所やコンセプトBARでも数量限定で有料試飲を行う予定です。

『ザ・ニッカ

ナインディケイズ』は1940年代から2020年代までの9つの年代にわたる多彩な原酒をブレンドしたウイスキーです。余市蒸溜所や宮城峡蒸溜所に現存する最古のモルト原酒、新たなチャレンジとして製造した門司工場とさつま司蒸溜蔵のグレーン原酒、西宮工場の長期熟成のグレーン原酒、スコットランドのベン・ネヴィス蒸溜所のモルト原酒などから生み出された150種類以上の原酒を使用しています。濃密な樽熟成香と、甘みやコクが調和した厚みのある芳醇な味わいが特徴です。“熟成年数が長いほど高級なウイスキーである”という従

来のエイジングに対するイメージに捉われず、9つの年代にわたる多彩な原酒をブレンドすることで、ニッカウヰスキーの90年の歩みを体現しました。ボトルデザインでは伝統工芸である江戸彫り(※1)の技法を用いて一本一本丁寧にロゴを刻みました。キャップにかかるテープには6色の彩り豊かな市松模様と、複数の九角形を組み合わせた図案を配することで、各拠点から生み出された9つの年代にわたる多彩な原酒の調和を表現しました。

■コンセプトを体感できる場を7月以降、世界各国で順次展開

“生きるを愉しむウイスキー”の世界観が体感できる場を世界各国で展開します。日本では東京都内でコンセプトBARを7月から12月の期間限定で展開します。店内ではニッカウヰスキーブランドを使ったカクテルなどを楽しめるほか、コンセプトを体感できるような展示やグッズの販売を予定しています。コンセプトBARのオリジナルカクテルとして、ニッカウヰスキー欧州アンバサダーであるバーテンダーのスタニスラヴ氏が監修した『ニッカ

セッション』をベースにしたカクテルを提供します。海外では7月以降、ロンドンやパリ、ローマ、ニューヨークなどのバー内で、イベントなどを順次計画しています。

■日本のスペシャルアンバサダーとして福山雅治さんを起用

日本におけるウイスキーファンの拡大やニッカウヰスキー創業90周年を盛り上げる目的として、シンガーソングライター・俳優の福山雅治さんを「ニッカウヰスキー国内スペシャルアンバサダー」として起用します。今後、広告販促での起用を通して二ッカウヰスキーの魅力を伝えていきます。

世界のウイスキー市場は年々拡大しており、中でも高価格帯のウイスキーの伸長が顕著です。ニッカウヰスキーの洋酒事業は10年前の2013年と比較して約2倍の規模に成長しました。継続的な設備投資をベースにニッカウヰスキーの強みを生かした商品開発、ウイスキーの多様な楽しみ方の提案を通じて、将来的にはプレミアムウイスキーカテゴリー(※2)でグローバルトップ10(※3)入りを目指します。

※1:「江戸彫り」はマツウラブラストの登録商標です

※2:日本では参考小売価格2,000円(700ml)以上のウイスキー

※3:ニッカウヰスキーのプレミアムブランド計として、ウイスキー単体ブランドのグローバルトップ10 以内に相当する販売量

【『ザ・ニッカ ナインディケイズ』商品概要】

商品名:ザ・ニッカ ナインディケイズ

品目:ウイスキー

容量:700ml

アルコール分:48%

発売日:7月2日(2回目は10月を予定)

発売地域:日本・海外

参考小売価格:(日本国内)30万円(税別)、33万円(税込)

商品サイト:

https://www.nikka.com/products/blended/ninedecades/

<参考> ニッカウヰスキーの歴史

ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝は、日本の本格的なウイスキーづくりに生涯を捧げました。1918年(当時23歳)にスコットランドに単身で渡り、多くの蒸溜所を訪ねてウイスキーづくりについて学びました。誰もが嫌がる蒸溜釜の掃除も率先して引き受けたり、製造現場で見たものや聞いたことを宿に戻った後にノートに細かくまとめて整理したりするなど、持ち前の勤勉さと積極的な行動を通してウイスキーづくりを習得しました。

1920年に帰国した竹鶴は北海道余市で工場を建てることを決心し、1934年にニッカウヰスキーの前身となる大日本果汁株式会社を設立しました。ウイスキーが製品になるには長い年月がかかるため、設立当初はリンゴジュースなどの製造と販売に取り組みました。1936年からウイスキーの製造を開始し、1940年にモルトウイスキー「初号ニッカウヰスキー」が誕生しました。この商品が出荷されるまで経営は厳しい状況だったため、早く発売して経営を楽にしようという声もありましたが、竹鶴は辛抱強く熟成の時を待ち、香り高く重厚な味わいのウイスキーを完成させました。

その後も本物のウイスキーづくりにこだわり続けました。1960年代に入ると、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドするブレンデッドウイスキーの製造を実現するためにカフェ式連続式蒸溜機を導入し、カフェグレーンをブレンドしたブレンデッドウイスキー「新ブラックニッカ(1級)」を1965年に発売しました。

竹鶴は1979年(享年85歳)にこの世を去りましたが、その志を引き継ぎ、ニッカウヰスキーは品質にこだわったウイスキーづくりに注力してきました。2001年には英国のウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」が「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」の前身である「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を初開催しました。英国、米国、日本の専門家がブラインド評価を行った結果、『シングルカスク余市10年』が総合第1位を獲得し、日本のウイスキーが

“世界最高峰”と認められました。その後も世界的な酒類品評会で数々の賞を受賞するなど、海外におけるニッカウヰスキーの評価は近年高まっています。

生前、竹鶴は「英国人がウイスキー相手にじっくり生(いきる)を愉しむように、酔うためでなく愉しむために飲んでほしい」と願い、ウイスキーづくりに情熱を注ぎました。本年設定した新たなコミュニケーション・コンセプト“生きるを愉しむウイスキー”を通して、ニッカウヰスキーは竹鶴の情熱をつなげていきます。