人に1人がネット上の情報で困った経験が

2024年7月9日

医療人材総合サービス、事業場向け産業保健支援を提供する株式会社エムステージ（東京都品川区、代表取締役：杉田雄二）は、エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』の登録医師のうち430名に「クチコミ」に関するアンケート調査を実施しました。

* 調査背景

近年、インターネット上の「クチコミ」の信憑性と運営の在り方が問題視されています。2024年4月には、「Googleマップ」上の「クチコミ」に関する医師や歯科医師の動向が複数のメディアに取り上げられ、注目を集めました。

医師にとって「クチコミ」はどのような情報になっているのでしょうか。また、情報を検索する側となる自身の求職活動にどのように影響しているのでしょうか。実態を調査しました。

* 調査結果のサマリー

■勤務先のクチコミについて

・半数以上がクチコミを確認

・「事実と異なる内容が含まれる」約9割

・「ネット上の情報で困った」5人に1人

・「事実無根の嫌がらせ」も一定数

■求職活動時の情報収集について

・転職先の検討に約6割がクチコミ影響

・半数以上が入社後にクチコミとのギャップ感じる

・ギャップ回避「エージェント活用が役立つ」87.9%

* 勤務先のクチコミについて

1. 半数以上がクチコミを確認

勤務先に関するインターネット上のクチコミ（患者からのクチコミ）について、確認したことが「ある」と回答した医師は58.1％となり、半数以上が勤務先のクチコミを確認したことがある結果となりました。

2. 「事実と異なる内容が含まれる」約9割

クチコミに含まれる事実と異なる内容の程度について、「半分程度」含まれていたという回答が最も多く48.0%となりました。次に「3分の1程度」（38.0％）が続き、「全て」という回答は4.4%となりました。約9割の医師の勤務先のクチコミに、事実と異なる内容が含まれていたという結果になりました。

■事実と異なるクチコミの具体的な内容（フリーコメント）

・待ち時間に関するクレームや、先生の評判等で、誹謗中傷に極めて近い書き込みをされてしまった。

（30代／消化器内科／勤務医［民間病院］）

・医学的に無理な要求をしてきた挙句、思い通りにならないと暴力的な言動で威圧してきた患者に、あたかも誤診があったかのような書き込みをされた。（40代／整形外科／勤務医［診療所・クリニック］）

・データに沿った正しい医療を提供しても患者の希望に沿わない場合は、医療の質が悪いと批判される。

（30代／消化器内科／勤務医［私立の大学病院］）

3. 「ネット上の情報で困った」5人に1人

クチコミをはじめとするインターネット上の情報で困った経験が「ある」と回答した医師は19.8％となり、5人に1人の医師はインターネット上の情報によって困った経験がある結果となりました。

4. 「事実無根の嫌がらせ」も一定数

困ったクチコミの内容では、「医師の対応や接遇」（45）に関するものが最も多く、次いで「診療内容」（42）、「事実無根の嫌がらせ」（25）が続く結果となりました。

■具体的なエピソード（フリーコメント）

・循環器専門の男性の医師が、聴診を直肌にした件でクレームを書かれてしまった。

（30代／一般外科／開業医）

・執筆した本へのクレーム、意見。（40代／一般内科／勤務医［民間病院］）

・救急外来の場合、緊急度の高い患者さんを優先するため、比較的軽症で検査や処置を急がない患者さんはお待たせしてしまうが、そういう患者さんに「待ち時間が長い」などの悪い評価をつけられた。

（50代／麻酔科／勤務医［民間病院］）

* 求職活動時の情報収集について

5. 転職先の検討に約6割がクチコミ影響

転職先やアルバイト先を検討する際のインターネット上のクチコミ（患者からのクチコミ・転職サイト等の従業員のクチコミ）の影響度合いについて、「大いに影響する」と回答した医師は9.8％、「ある程度影響する」と回答した医師は50.5％となり、約6割が転職先やアルバイト先の検討において、クチコミが影響する結果となりました。