虫タンパクで養殖魚の体表粘液の増加を確認し特許出願!養殖魚の生体バリア機能向上に期待

フィード・ワン株式会社(本社:神奈川県横浜市西区/代表取締役社長 庄司英洋/事業内容 飼料の製造・販売、以下

フィード・ワン)は、特殊製法の脱脂ミールワームを養殖魚に給与することで、魚体の体表粘液が顕著に増加することを確認しました。これは、養殖魚の生体防御機能を向上させる従来にない手法となることが期待されます。

この発明に関し新東亜交易株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長 森田克己、以下 新東亜交易)と共同で特許を出願しました。 * 研究の背景

近年、気候変動に伴う海水温の上昇等による養殖漁場の環境変化が原因で、養殖魚において疾病の多発や養殖魚の体表面に付着する寄生虫被害が増加しています。一部の魚種では、以前から予防のためのワクチンや水産用医薬品による治療が行われていますが、それらが効かず被害が拡大する事象も発生しています。疾病や寄生虫被害への対応およびこれらによる養殖魚の斃死は、生産コストの上昇に拍車をかけ、養殖業者の経営をさらに厳しくすることから業界全体で大きな問題となっています。

これらの背景から養殖魚自身の健康状態を良好に維持するための技術開発が求められています。

* 発明の内容

フィード・ワンは、新規の飼料原料の開拓を進める中、脱脂ミールワームを給与することで、魚体の体表粘液が顕著に増加する効果を確認しました(図1)。この効果は、海水養殖の主要な魚種(マダイ、シマアジ、カンパチ、ハマチ)において確認できました。

図1 粘液量(対象区を100とした場合の相対値)(※自社水産研究所調べ)

* 期待される効果

一般的に、魚体の体表粘液は、補体タンパク質、レクチン、リゾチーム、プロテアーゼ、イムノグロブリン、抗菌ペプチド等の生理活性物質を含んでおり、物理的にも海水中の寄生虫や疾病から魚の身体を守るバリア機能の役割を果たすことが知られています(図2)。魚体の体表粘液が多く産出される場合、外部から侵入する病原体に対するバリア機能が強化され、養殖魚の健康状態を良好に維持する効果が期待されます。

図2 体表粘液による魚体のバリア機能のイメージ

* 新東亜交易との特許共同出願

今回の特許出願は、脱脂ミールワームの供給元となる新東亜交易と共同で出願しています。新東亜交易は脱脂ミールワームの産地における品質管理の徹底を図ると共に、安定供給体制の構築を担っています。新東亜交易とのパートナーシップをより強固なものとして昆虫タンパクの普及事業を進めてまいります。

* 今後の展開

今回の発明により、脱脂ミールワームが養殖魚の疾病対策として機能する可能性が明らかとなり、多くの養殖対象魚種に対して一定の効果を期待できることから、産業的価値は大きいものと考えています。

フィード・ワンは、脱脂ミールワームの機能性について更なる検証を進めるとともに、養殖現場での普及促進を図ることで、養殖業界の発展と持続可能な養殖業の実現に貢献してまいります。

* 会社概要

会社名:フィード・ワン株式会社

代表者:庄司 英洋

所在地: 神奈川県横浜市西区みなとみらい五丁目1番2号

設立:2014年10月

資本金:100億円

事業内容:配合飼料の製造・販売、畜水産物の仕入・販売・生産・加工等

上記に付帯関連するその他事業(農場の経営指導、家畜診療施設の運営等)

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