事を行う女性500人に調査 時間をうみだす工夫「ゆとりトレンド2024」はメリハリ主義!

~「しこむ」「へらす」「たよる」の工夫で家事負担を軽減~

「ゆとりうむプロジェクト」は、時短「時間の短縮」ではなく時産「時間を産む」へ発想を変え、人々が「ゆとりある生活」を送ることを応援する活動の一環として、2024年6月に、20代~50代の女性

500人(高校生以下の子どもを持つ家庭で、家事を週1日以上実施している人)を対象に、炊事・洗濯・掃除の時短に向けた工夫や名前のない家事に関するWEBアンケート調査を実施しました。

その結果、時短で工夫していることとして、炊事では「しこむ」、洗濯では「へらす」、掃除では「たよる」というキーワードや、地味に面倒だと感じている名前のない家事はどのようなことであるかといった、2024年のゆとりトレンドが見えてきました。

■2024年ゆとりトレンド

TOPIC1:炊事のキーワードは「しこむ」

・炊事の時短のためにやっている工夫として、「週末に食材をまとめ買いする」、「食材の下ごしらえをして事前に冷凍しておく」、「前日に翌日の準備をしたり、週末に作り置きをする」など、事前準備をしておくことで、当日にかかる時間を短縮するという回答が多く挙げられました。

TOPIC2:洗濯のキーワードは「へらす」

・洗濯の時短のためにやっている工夫として、「ハンガーで干してそのまま乾いたらラックにかける」、「乾燥まで洗濯機で行い干さない」など洗濯にまつわる作業を減らしたり、「洋服は繰り返し着ることで洗濯の回数を減らす」、「家族でバスタオルを共用する」など洗濯物の量を減らしたりするという回答が多く挙げられました。

TOPIC3:掃除のキーワードは「たよる」

・掃除の時短のためにやっている工夫として、「家族と分担する」、「ロボット掃除機に頼る」といった掃除の担い手を増やすという回答が多く挙げられました。

TOPIC4:地味に面倒な名前のない家事は「家事の前後の作業」、「家電のメンテナンス」、「詰め替え作業」

・具体的な名前はついていなくても、地味に面倒で負担になりやすい名前のない家事。今年の調査では、名前のない家事として「家事の前後の作業」「家電のメンテナンス」「詰め替え作業」が挙げられました。

■調査概要

調査方法 :WEBアンケート調査

調査時期 :2024年6月

対象地域 :全国

対象者数 :500名

対象者 :20代~50代の女性

有職者、配偶者・パートナー&子ども(高校生まで)の同居があり、本人が家事を週1日以上実施、かつ、配偶者・パートナーも家事をしている方

料理研究家・ラク家事アドバイザー・ゆとりうむ理事

島本美由紀氏

旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、手軽に作れるおいしい料理レシピを考案。家事全般のラク(楽しくカンタン)を追求する「ラク家事アドバイザー」、エコの観点から食品保存や冷蔵庫収納を提案する「食品ロス削減アドバイザー」「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」としても活動中。テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍し、著書は80冊を超える。

TOPIC 1:炊事のキーワードは「しこむ」

「炊事の時短で工夫していること」を質問したところ、「まとめ買い」、「食材の冷凍保存」、「作り置き」に関連した回答が多く挙げられました。事前準備をしておくことで、当日にかかる時間を短縮する工夫をしている人が多いようです。

2024年ゆとりトレンド 炊事

・週末に食材をまとめ買いする

・食材の下ごしらえをして、事前に冷凍しておく

・前日に翌日の準備をしたり、週末に作り置きをする

※自由回答からテキストマイニングを実施、重みづけを行いスコアの高いものを大きく表示

2024年ゆとりトレンドの芽 炊事

少数ではありますが、来年以降トレンドの兆しとなりそうな回答はこのようなものがありました。

・定番化:朝食などのメニューを定番化し、考えることやアレンジを止めルーチン化

・シンプル化:つけるだけ、かけるだけ、炒めるだけ、蒸すだけのシンプル料理

島本氏の「炊事」ゆとりアドバイス

炊事をラクにするためのゆとりトレンドの芽として、「定番化」と「シンプル化」が見られました。冷凍トーストや納豆、豆腐のようなそのまま食卓に出せるものを定番メニュー化すると、献立に関する悩みを減らすことができます。また、食事の1品をつけるだけ、かけるだけ、炒めるだけ、蒸すだけなどのシンプルなものにすることも炊事にまつわる時間を短縮することにつながります。

TOPIC 2:洗濯のキーワードは「へらす」

「洗濯の時短で工夫していること」を質問したところ、「ハンガーで干してそのまま乾いたらラックにかける」、「乾燥まで洗濯機で行い干さない」など洗濯にまつわる作業を減らしたり、「洋服は繰り返し着ることで洗濯の回数を減らす」、「家族でバスタオルを共用する」など洗濯物の量を減らしたりするという回答が多く挙げられました。

2024年ゆとりトレンド 洗濯

・バスタオルをフェイスタオルにする

・ハンガーで干してそのまま乾いたらラックにかける

・乾燥まで洗濯機で行い干さない

・洋服は繰り返し着ることで洗濯の回数を減らす

※自由回答からテキストマイニングを実施、出現率の高いものを大きく表示

2024年ゆとりトレンドの芽 洗濯

少数ではありますが、来年以降トレンドの兆しとなりそうな回答はこのようなものがありました。

・計らない:ジェルボールを使って洗剤を図らない

・使わない:バスタオル、バスマット、トイレマット、玄関マットを使わない

島本氏の「洗濯」ゆとりアドバイス

洗濯をラクにするトレンド「へらす」について、どの作業がストレスになっているのかを把握することも大切です。苦手な作業を省いたり、得意不得意をもとに家族で分担したりすることも洗濯をラクにするコツです。

また、ゆとりトレンドの芽として、「計らない」と「使わない」が見られました。洗濯は当たり前を見直してみると、意外と改善できることが多い家事です。液体洗剤からジェルボールに変えてみたり、洗濯物を減らすために玄関マットやトイレマットなど日常でなんとなく使っているものをやめたり、当たり前を見直してみることもテクニックの一つです。

TOPIC 3:掃除のキーワードは「たよる」

「掃除の時短で工夫していること」を質問したところ、掃除の時短のためにやっている工夫として、「家族と分担する」、「ロボット掃除機に頼る」といった掃除の担い手を増やすという回答が多く挙げられました。

2024年ゆとりトレンド 掃除

・家族と分担する

・ロボット掃除機に頼る

※自由回答からテキストマイニングを実施、出現率の高いものを大きく表示

2024年ゆとりトレンドの芽 掃除

少数ではありますが、来年以降トレンドの兆しとなりそうな回答はこのようなものがありました。

・置かない:できるだけモノを置かない

・使わない:マスキングテープなど便利グッズを使わない

・見える化:排水溝のフタを外しておく

島本氏の「掃除」ゆとりアドバイス

掃除をラクにするトレンド「たよる」について、本当に苦手な掃除はプロに頼むという選択肢をもつのもおすすめです。

また、ゆとりトレンドの芽として挙がっていた「見える化」は、汚れが家族の目につきやすくなるため、掃除の担い手を増やすことにもつながります。掃除は便利グッズや専用グッズが多い分野ですが、グッズが増えてしまうことがストレスの原因になることも。複数の場所で使える製品を使うことで、使い分けの手間を省くことや節約にもなります。

TOPIC 4:地味に面倒な名前のない家事は家事の前後の作業・家電のメンテナンス・詰め替え作業

「名前のない家事で思いつくこと」を質問したところ、「家事の前後の作業」、「家電のメンテナンス」、「詰め替え作業」に関連する回答が挙げられました。

2024年ゆとりトレンド 名前のない家事

<家事の前後の作業>

・段ボールを束ねるといった事前処理やゴミ袋のセットなどの事後処理など、ゴミ捨ての前後の作業をする

・食洗器から食器を取り出す

・洗濯ネットに入れるものと入れないものを仕分ける

<家電のメンテナンス>

・電子レンジ・食洗器・ロボット掃除機などをメンテナンスする

・掃除機のゴミ取り、フィルター掃除をする

<詰め替え作業>

・洗剤、ティッシュ、トイレットペーパーなど日用品を補充する

・お茶をつくる

2024年ゆとりトレンドの芽 名前のない家事

少数ではありますが、来年以降トレンドの兆しとなりそうな回答はこのようなものがありました。

・ムードづくり:運動会でよく流れる「剣の舞」の曲をかけてで子どもの学校準備を促進

・家電準備:ロボット掃除機の準備

島本氏の「名前のない家事」ゆとりアドバイス

家電選びの際にメンテナンスが少なく済む機種を選ぶことや、作業することが多い場所の近くにストックを置くことで、名前のない家事を減らすことができるかもしれません。家事や面倒だと感じる作業を行う際には音楽を使って作業しやすいムードづくりをしたり、作業時間の目安にしたりすることも効果的です。

また、普段家事をする頻度と配偶者・パートナーが普段家事をする頻度を質問したところ、自分がほぼ毎日家事をしていると回答した人は91.2%だったのに対して、配偶者・パートナーがほぼ毎日家事をしていると回答した人は24.4%と差がある結果となりました。

さらに、家庭内で、本人、配偶者・パートナーとで実施している家事の分担状況について、配偶者・パートナーが70~100%家事を行っていることについて質問したところ、TOP10は下図のような結果となりました。

配偶者・パートナーが70~100%担当していると回答した家事の中で、30%以上である家事TOP10はゴミ出しと電池や電球の取り替えの2つのみでした。TOP10の内容を見ると、突発的な掃除を担当することが多く、ゴミ出しや風呂掃除といった簡易的なものが多い傾向があります。しかし、これらのタスクは家事全体の一部で、日常的に必要とされる家事の多くは女性が担っていることが伺えます。

■島本氏が教えるゆとりトレンド「危機備え」

日常にはあらゆるピンチが潜んでいます。想定外の出来事に備えておくことは家事を楽にすること、家族円満にもつながります。日用品やインスタント食品のストックのような災害を想定した備えをしている家庭は多いと思いますが、家族が急に体調不良になってしまったときや交通機関の麻痺によって帰宅できない状況を想定した備えが十分にできている家庭は多くはないのではないでしょうか?体調不良に備えて風邪薬や栄養補給食品の準備、子どもの登園・登校バッグの内容の共有、家電の使い方の把握など、いざというときに向けた「

危機備え」をしておくことも大切です。

実際に緊急時など危機の備えとして、準備していることについて質問したところ、下図のような結果となりました。

日用品や食材、インスタント食材のストックをしている家庭がかなり多い傾向にあります。このように日用品ストックへの意識が高い一方で、突発的な体調不良に備えて救急セットや栄養補給ゼリーなどを常備していると回答した人は28.6%と差が見られました。

また、配偶者・パートナーとの間で情報共有(シェア)していることについて質問したところ、下図のような結果となりました。

緊急時の「危機備え」として、仕事のスケジュールや保険証・診察券の場所、日用品の収納場所を共有している家庭が多い傾向にあります。

島本氏の「危機備え」ゆとりアドバイス

見落としがちな薬や栄養補給食品の常備も、いざというときの備えとして重要です。日用品のストックと併せて用意しておきましょう。

また、家族間で共有しておくとよい情報として、いつも使っている日用品の種類や子どもの通園バッグの内容なども見落としがちではないでしょうか?今一度家族間で、各家庭で必要な項目をすり合わせて、アクシデントに備える姿勢を持つことがおすすめです。

■ゆとりうむプロジェクトとは

ゆとりうむプロジェクトは「時産※」というポジティブな価値観を提唱し、生活者の暮らしにゆとりをうむことを目的に活動しています。

理事長の立命館大学 産業社会学部教授

社会学者の筒井淳也氏をはじめ、理事である各分野の専門家や複数の企業、団体が参画し、各社の商品やサービスを活用した「ゆとり」をうむノウハウや情報を提供しています。

※時産:「家事の時短(タスクの省略・手抜き)」という概念を変えて、時短によって時間をうみ、生活のゆとりにつなげるという考え方。

■ゆとりうむプロジェクト公式サイト

URL:

https://yutorium.jp

■参画企業一覧

・旭化成ホームプロダクツ株式会社

・旭化成ホームズ株式会社

・全薬工業株式会社

■協力企業

・株式会社ABC Cooking Studio

■協力団体

・トモショクプロジェクト

・FamCook

・SnapDish

[ゆとりうむプロジェクト理事長]

・筒井淳也

立命館大学産業社会学部教授

[ゆとりうむプロジェクト理事]

・丸山晴美

節約アドバイザー ファイナンシャルプランナー 消費生活アドバイザー

・西川剛史

冷凍王子・冷凍生活アドバイザー

・石田珠美

株式会社ABC Cooking Studio執行役員

・小島正美

「食生活ジャーナリストの会」代表 元・毎日新聞生活報道部編集委員

・滝村雅晴

料理研究家 株式会社ビストロパパ代表取締役

・小山佐知子

ワーク・ライフバランスコンサルタント

・島本 美由紀

料理研究家・ラク家事アドバイザー

Posted by owner