美容サロンにおけるインバウンド実態調査 日本の美容サロンに対して「利用意向がある」外国人旅行者は50.2% 外国人旅行者が美容室で利用する人気メニューは?

日本の美容サロンに対して「利用意向がある」外国人旅行者は50.2% 外国人旅行者が美容室で利用する人気メニューは?

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)の美容に関する調査研究機関『ホットペッパービューティーアカデミー』(

https://hba.beauty.hotpepper.jp/

)は、訪日外国人旅行者(2024年6~7月来日)936人と、美容サロン(*1)従事者2,632人(スクリーニング調査2,632人、本調査(*2)

1,016人)に対し、「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」を実施しましたのでご報告致します。

(*1) 美容室、理容室、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン、アイビューティーサロン

(*2) 外国人旅行客の来店を経験している人が対象

■日本の美容サロン利用意向

日本の美容サロンに対して「利用意向がある」外国人旅行者は50.2%。「マッサージ・リラクゼーション施設」が最も人気が高い。

Q. あなたが日本で「行ってみたい」と思う美容サロンを全てお答えください。

※行ったことがあるかどうかに関わらずお答えください。(外国人旅行者936人、複数回答)

(*3)「当てはまるものはない」を選んだ人を「利用意向なし」として、それ以外の選択肢を選んだ人を「利用意向あり」として集計

■外国人旅行者に人気のメニュー

美容室で外国人旅行者に最も人気のメニューは、「カット」。次いで「シャンプー&ブロー」「カラー」が続く。

Q. 海外からのお客さまは、どのようなメニューを注文されましたか。当てはまるものを全てお答えください。

(美容室従事者468人、複数回答)

<研究員からのコメント>

訪日外国人旅行者が急増する中、日本の美容サロン利用への関心も高いことが分かりました。外国人旅行者に人気のメニューで2位の「シャンプー&ブロー」は、日本では単独で注文されることが少ないメニューですが、特に欧米では日常的に利用されているメニューです。海外との文化の違いを理解することで、美容サロンには新たなチャンスが生まれ、より多くの外国人旅行者に利用してもらうことができるでしょう。

『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子

■日本の美容サロンの魅力

外国人旅行者が日本の美容サロンに魅力を感じる点として、最も多く挙げられたのは「清潔感・衛生的」(42.1%)であり、次いで「日本ならではのデザイン・スタイルに仕上がる」(40.6%)、「施術が上手・丁寧」(31.7%)が続く。

Q. 日本の美容サロンの魅力は何だと思いますか。当てはまるものを全てお選びください。

(外国人旅行者936人、複数回答)

■日本の美容サロンに支払ってもよい金額

外国人旅行者が日本の美容サロンに1回あたり支払ってもよいと考える金額の平均は1万4,033円で、最も多いのは「5,000~1万円未満」(32.2%)。次いで「1万~2万円未満」(25.3%)、「2,000~5,000円未満」(21.1%)が続き、高額の支払い意向を持つ層も一定数いることが分かる。

Q. 日本の美容サロンに、1回あたりいくらくらいまでお金を使ってもいいと思いますか。

(日本の美容サロンの利用経験または利用意向のある外国人旅行者475人、単一回答)

(*4) 「5万円以上」は「5万~10万円未満」と「10万円以上」の合算

<研究員からのコメント>

日本の美容サロンは、「清潔感・衛生的」といった点が大きな魅力として評価されています。日本人にとって「当たり前」のことが、海外では大きな付加価値として捉えられています。さらに、日本の高い技術やホスピタリティも、外国人旅行者にとって満足度を高める要因となっています。これらの要素から、日本の美容サロンは今後、インバウンド需要の拡大に伴い、ますます魅力的なサービスとして成長していく可能性があります。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

■外国人旅行者とのコミュニケーション

外国人旅行者とのコミュニケーション方法として、最も多いのは「身振り手振り」での対応(56.5%)で、次いで「スマホなどの翻訳機能を使用」(43.7%)、「どの国の人でも英語で対応」(41.8%)が続く。

Q. 海外からのお客さまが来店された時、どのようにコミュニケーション・会話をされましたか。当てはまるものをそれぞれお答えください。

(外国人旅行者とのコミュニケーション経験がある美容サロン従事者994人、複数回答)

■外国人旅行者対応で困ったこと

外国人旅行者対応における困り事には、主に言葉の壁によるコミュニケーションの課題が挙げられた。また、予約・会計対応の難しさや、文化・マナーの違いにも戸惑いが見受けられる。

Q. 海外からのお客さまが来店された時、困ったことはありましたか。当てはまるものを全てお答えください。

(美容サロン従事者1,016人、複数回答)

■外国人旅行者とのエピソード

日本の美容サロンのサービスや技術に対して、外国人旅行者から高い評価を受けたと感じるスタッフが多い。特に、丁寧な対応や高度な技術が感動を呼び、チップを渡されることや、複数回の来店につながるケースも。日本のサービスの丁寧さや親切さにも感謝していたという声が多い。

Q. 海外からのお客さまが来店された時、お客さまとの印象的なエピソードがあれば教えてください。

※お客さまが喜ばれたこと、感動されたこと、またはお客さまとトラブルになったことなど

(美容サロン従事者1,016人、自由回答)

「カットの技術に感動していた」

「笑顔で帰ってくれた」

「ヘッドスパをとても喜んでいました」

「チップをくれた。良かったからと、翌日も来店してくれた」

「日本のサービスや技術は一流だと褒めてくれました」

「日本語でありがとうと言われた」

<研究員からのコメント>

美容サロンにおいて、外国人旅行者とのコミュニケーションでは、スマホの翻訳機能、写真や画像の共有など、デジタルツールの活用が進んでいる点が興味深いです。外国人旅行者の受け入れには、言語対応やサービス・マナーの違いなど、依然として課題があります。しかし、確かな日本の美容技術やホスピタリティの高いサービスは、外国人旅行者の心を捉えています。

現在の円安傾向により、外国人旅行者にとって日本の美容サロンは利用しやすくなっています。この機会を活かし、日本の美容サロンのファンを増やすことがグローバルな顧客基盤を築くことにもつながるでしょう。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

■調査概要

調査名 :「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」

【訪日外国人旅行者調査】

調査手法:インターネットリサーチ

調査期間:2024年6月14日~2024年7月6日

調査対象:上記期間に東京、大阪を訪れた外国人旅行者(936人)

【美容サロン従事者調査】

調査手法:インターネットリサーチ

調査期間:2024年8月22日~2024年8月26日

調査対象:美容サロン(美容室、理容室、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン、アイビ

ューティーサロン)で働いている人

<スクリーニング調査>2,632人

<本調査>外国人旅行客の来店を経験している1,016人

※図表内の%の値は小数第2位を四捨五入しているため、差分や合計値において、単純計算した数値と合致しない場合があります。

※平均金額の算出方法:回答形式は選択肢方式としていますが、便宜上選択肢の中央値を用いて平均金額を算出しました。ただし、選択肢の中で最も高額の「10万円以上」のみ「100,000円」として算出しています。

■『ホットペッパービューティーアカデミー』とは

美容に関する調査研究機関。「美容の未来のために、学びと調査・研究を」をビジョンに2014年に開校しました。美容サロンのマネジメントやマーケティングを学ぶ「経営セミナー」、美容センサスなどの「調査研究」、訪問美容・女性活躍・SDGsなどの情報提供・イベント開催などをはじめとした「サステナビリティ活動」を柱に、全て無料で美容業界へ情報発信しています。これらの活動により、美容業界の成長に寄与する場の提供を目指しています。

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