3回ケアとまちづくり未来会議を開催しました

ケアとまちづくりに関わる全国各地のプレイヤーが集い熱量高いカンファレンスとなりました

登壇者のおひとり、佐藤友則さん

「ケアするまちをデザインする」一般社団法人ケアと暮らしの編集社(兵庫県豊岡市、代表理事:守本陽一、以下ケアと暮らしの編集社)が共催するカンファレンス「第3回ケアとまちづくり未来会議(ケアまち会議)」は、大盛況のうちに終了いたしました。

ケアとまちづくり未来会議とは

ケアとまちづくり未来会議では、2019年より、ケアとまちづくりが溶け合い、新しい価値が生まれる場を目指し、医療、福祉、建築、ランドスケープ、デザインなどの多様な専門職で運営しています。100名規模のリアルイベントやオンラインイベント等を通じて、各々の専門性を持ち寄り、知恵を共有してきました。

「ケアまち実験室」を通じた全国の関心層向けのオンラインコミュニティの運営、ケアまち座談会での先進的な事例の共有などを通じて、銭湯でのケアの取り組み、芸術によるつながりの創出、ケアと応答する在宅医療拠点の建築、中山間地域で農業をしながら働く医師、図書館におけるケアの取り組みなど、ケアとまちづくりに関する全国各地での多様な表現、コロナ禍でも小さく続けてきた活動の知が、積み重なっています。

この度開催したケアとまちづくり未来会議は、2019年から過去2回開催、合計200名以上参加したカンファレンスです。

今回のテーマは、「積み重ねる。」です。古都京都でこれまでのコミュニティケアや都市計画、集落支援、地域福祉、地域包括ケアの積み重ねを実感し、振り返りながら、新たな領域を超えた取り組みを知り、積み上げていくことを目指しました。

◆単発のイベントで終わらせない、信頼ある共同体が生まれていくプロセスとは?◆混沌でもなく、縛られ過ぎない、多様なコミュニティにおけるルールづくりとは?

2つのトークセッションでは、その場に集ったゲストの活動に一歩踏み込み、ケアとまちづくりのこれからを共に考えていく機会となりました。まちづくりに関心がある医療福祉専門職のみならず、ケアに関心があるデザイナーや行政、民間企業、市民の方にも広くご参加いただき、共に出会い、知恵を積み重ねる機会となった今回のケアとまちづくり未来会議。その様子をお届けします。

アーカイブ配信中!

セッション1・2、ピッチトークの模様を動画でお届けしています。※視聴期限4/30(火)迄ケアまち会議を視聴する ▶

https://carekura.thebase.in/items/83388365\耳寄り情報/

ケアまち実験室メンバーになると、アーカイブ一般チケット5000円のところ1500円の限定価格で視聴いただけます。ケアまち実験室詳細を見る ▶

https://carekura.com/caremachiケアまち実験室会員になる ▶

https://carekura.thebase.in/items/73034876

【概要】◆日時:2024年2月10日(土)13:00-18:00 ※イベント後懇親会あり

◆会場:QUESTION◆参加費:学生現地6000円/一般現地8000円/学生オンライン4000円/一般オンライン6000円

◆対象:・ケアとまちづくりに関心のある方・活動中の方・ポップな地域活動の意義に関心のある方・コミュニティにおけるルールづくりについて関心のある方

◆定員:100名程度(オンライン300名まで)◆お問い合わせ:[email protected]

※本イベントはオンラインコミュニティケアまち実験室(1500円/月 学生の人は1000円/月)に参加すると、3500円もお得にトークを楽しめます。

ケアまち実験室は、過去のアーカイブ視聴やケアとまちづくりに興味のある人と交流のできるオンラインコミュニティです。詳細はこちら(

https://carekura.com/caremachi)から。

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なお、過去のイベントの一部を記載したトークレポートはこちら(/)から見ることができます。

セッション1「楽しい市民活動から信頼あるケアリングへの移行を探る」

登壇者:永田祐氏(同志社大学社会学部 教授)/佐藤友則氏(ウィー東城店 店長)/守本陽一(だいかい文庫 館長 )

◆概要

「楽しそう、面白そう。興味関心から始まる場からケアはどう生まれていくのか」

近年、銭湯、図書館、ガソリンスタンドなど、さまざまな暮らしの場で「ケア」という言葉をよく耳にするようになりました。医療機関だけでなく、日常生活の中で医療従事者が活動する姿も増え、医療や福祉に詳しくない人々も「ケア」をキーワードにして活動することが増えています。しかし、単にイベントを開催するだけでは本当のケアは生まれないのではないか、病院の機能をそのまま社会に持ち出して医療化を進めるだけでは限界があるのではないか、といった議論も聞かれます。

このセッションでは、ポップなケアとまちづくり活動の意義、そしてそのポップさや興味関心を入り口とした活動から、具体的に何が生まれているのかについて議論しました。楽しい市民活動から信頼あるケア共同体が生まれるメカニズムや、その過程で重要な役割を果たす研究者や実践者の視点を交えながら、意見交換を行いました。

◆当日の内容

ウィー東城店は、顧客の要望に応じて美容室や書店、コーヒーショップとして多様な役割を果たしています。店長の佐藤友則さんは、傾聴とは異なる聴き方の姿勢について、次のように述べています。

「素潜りで共に潜る(共に悩む)と自分もしんどくなると思うんです。僕は酸素ボンベを付けながら潜るからしんどくない。酸素ボンベを付けながら一緒に潜ることでその人の深いところまで一緒に潜れるんです。」

楽しさやポップな感情を入口として、人々は出会い、関係性を築いていきます。この関係性が普段から存在することで、困難な状況に直面した際にも共に支え合うことができます。そのような時間と経験の積み重ねが信頼に繋がり、関係性をより強固なものにしていくのです。だいかい大学の取り組みにも触れながら、関係性が生まれ、その先も共にいるプロセスについて考察しました。

メモをとる参加者の様子

セッション2「ケアするコミュニティのルールづくり」

登壇者:高橋博樹氏(NPO法人テダス代表)、西川正氏(NPO法人ハンズオン埼玉副代表理事)、藤岡聡子氏(ほっちのロッヂ共同代表)

◆概要「自治会、居場所。コモンズのルール作りはどうすればいいの?コミュニティのルールを考える」

コミュニティにおける場づくりにおいて、ルールは欠かせません。ルールがなければ、場が混乱してしまう可能性があります。しかし、ルールがあまりにも厳格すぎると、個々の自発性や創造性を抑制する恐れがあります。公園などで禁止ルールが過剰に設けられ、誰もが利用しにくくなる事例が挙げられます。

このセッションでは、地縁型コミュニティやテーマ型コミュニティ、また固定の居場所などで、良いルールが生まれるためにはどうすれば良いのかについて、コミュニティに携わる実践家の意見を伺いました。

◆当日の内容予め誰かが決めておいたルールではなく、当事者同士が対話を重ねることの価値について、以下のような議論が展開されました。

まず、「ルール作りの前段階として自分の声を聴く必要がある」という藤岡聡子さん。自分自身との対話を通じて、個々のニーズや意見を理解し、それを共有することが、良いルールを作り上げる第一歩となります。

さらに、安心して対話できる環境を阻害する要因として、西川正さんが「他者評価」を挙げ、医療現場、教育現場、行政などでの「評価」のあり方に触れました。西川さんは、「迷惑なこと」というのは最初から決まっているわけではなく、その場にいる人たち自身が決めるべきだと強調しました。そのためには、その場にいる人たち同士での対話が不可欠であると述べました。

自分自身との対話、その場にいる人同士での対話、そしてコミュニティとしての対話。これらの積み重ねによって、一人ひとりの声が響き合い、良いルールや良い環境が生まれていく。これらの議論を通じて、対話の重要性とその価値を再確認する貴重な時間となりました。

対話を重ねる登壇者

ピッチトーク

ケアとまちづくり活動はさまざまな地域で始まっています。銭湯が暮らしの保健室の取り組みを始めて気軽な相談場所を作ったり、診療所が地域に開いた居場所を作ったり、さまざまな取り組みがあります。まだ有名ではないかもしれないけど、キリッと光るケアまち活動を各地のプレイヤーが発表しました。

1. 音声オフのコミュニケーションで表現の多様性を楽しむ場所・筆談カフェについて @三重県いなべ市 桐林館喫茶室2.

エコイベントに参加することでポイントがたまり、協力店舗のサービスが受けられる制度・もりポについて @千葉県流山市3.

中間支援としてのまちづくりと場づくりを通じたケアリング @千葉県松戸市4. 困りごと文庫 @東京都大田区5. 巨大レジャーシートでピクニックしよう!

@静岡県沼津市6. 薬局・薬剤師が地域と繋がるためのアウトリーチ活動 @京都府舞鶴市7. デイサービスとデザインオフィスのあるところ「暮らり」の取り組み

@広島県三原市8. 病院職員による地域活性化プロジェクト~プロボノチーム「フロイデDAN」の実践~ @茨城県常陸大宮市9.

ランドスケープデザインから探究する小浜ビレッジの庭づくりと仲間づくり @鹿児島県霧島市10.

暮らし体験型ゲストハウスと連携して、医者の卵や家庭医が地域住民と交流することで、気軽に医療とつながるきっかけを創る取り組み @福井県南越前町

今回のキービジュアルとなったポスター

おわりに

第3回ケアとまちづくり未来会議は、お陰様で満員御礼となり、盛況のうちに幕を閉じました。

来年度も第4回を開催予定ですので、会場提供などご協力いただける企業様・自治体関係者様を募集しています。ぜひお問い合わせ窓口までご連絡ください。

お問い合わせ先 一般社団法人ケアと暮らしの編集社 [email protected]

協賛企業様

平成医療福祉グループ

医療社団法人おうちの診療所

医療法人かがやき 総合在宅医療クリニック

医療とアートの学校

株式会社栞日

一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセ

一般社団法人プラスケア

一般社団法人POST

ゆう薬局グループ

株式会社シンクハピネス

一般財団法人ひふみ会

運営:ケアとまちづくり未来会議

ケアとまちづくりが溶け合い、新しい価値が生まれる場を作ります。公式サイト:https://carekura.com/caremachi

https://carekura.com/caremachi公式note:https://note.com/caremachi

https://note.com/caremachiFacebook:https://www.facebook.com/caremachi/

共催:一般社団法人ケアと暮らしの編集社

街に暮らすことで気づいたら「Well-being」になっている社会を目指し、市民と医療福祉専門職が当事者性を持ち、関係性を超えて協働して、ケアするまちをデザインすることで、誰もがつながりや表現ができる地域社会を作ります。兵庫県豊岡市を中心に、図書館型地域共生拠点「本と暮らしのあるところ

だいかい文庫」、社会包摂型市民大学「みんなのだいかい大学」、コミュニティ共創プラットフォーム「ゆるいつながり研究所」といったケアのデザインを行っている。

ウェブサイト: https://carekura.com/

当リリースの詳細について

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000069116.html

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