世界が注目する「最先端 抹茶サイエンス」認知症予防と共生の新たな一歩 抹茶の可能性とは?!「第10回 伊藤園ウェルネスフォーラム」
伊藤園ウェルネスフォーラム」 人生120年時代、認知症社会を豊かに生きていくために 株式会社伊藤園(社長:本庄 大介 本社:東京都渋谷区)は、「第10回
伊藤園ウェルネスフォーラム」(主催:株式会社伊藤園
中央研究所)を2025年2月27日(木)に、東京都中央区で開催、同時に伊藤園公式YouTubeにて配信しました。
本フォーラムは、「最先端 抹茶サイエンス
認知症予防と共生の新たな一歩」をテーマに開催。抹茶と認知機能の最新の研究について、有識者による基調講演ほか、パネルディスカッションを通して、世界が注目する「最先端
抹茶サイエンス」が社会にもたらす多面的メリットなどについて議論を行いました。※見逃しアーカイブ配信はこちら(
https://youtu.be/Zrr_ESvFAm4)•
抹茶による社会的認知機能(顔表情からの感情知覚)と睡眠の質への効果株式会社MCBI(社長:徳美喜久 本社:東京都千代田区)と国立大学法人筑波大学(学長:永田恭介
所在地:茨城県つくば市)、医療法人社団創知会メモリークリニックとりで(理事長:朝田隆
所在地:茨城県取手市)、株式会社伊藤園は、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)(※用語1)と主観的認知機能低下(SCD)(※用語2)の高齢者を対象にした臨床試験「抹茶の認知機能低下抑制効果を評価する試験」を共同で実施し、抹茶を継続摂取することによる社会的認知機能の改善及び睡眠の質の向上傾向を確認しました。この試験結果は、学術雑誌PLOS
ONE※ に掲載されました。主要研究者:株式会社MCBI取締役会長 研究開発担当 内田和彦、国立大学法人筑波大学 医学医療系精神医学 教授 新井哲明、
医療法人社団創知会 メモリークリニックとりで 理事長 朝田隆、株式会社伊藤園 中央研究所 瀧原孝宣※ Uchida K. et al., Effect of
matcha green tea on cognitive functions and sleep quality in older adults with
cognitive decline: A randomized controlled study over 12 months. PLOS
ONE|Published: 30 August 2024
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0309287•
有識者による認知症対策と最先端の抹茶サイエンスの関係に関する基調講演■新井 哲明氏 基調講演:「人生120年時代に求められる認知症対策」
認知症とは、1つの病気をさすのではなく、認知機能が低下することによって仕事や日常生活に支障が出る状態の総称です。認知症の発症には、老化が深く関係しており、年をとれば誰でもなりえる可能性がある。「脳の機能が健常な状態」と「認知症」の中間の段階を軽度認知障害(Ⅿild
Ⅽognitive
Impairment:MCI)と呼んでおり、MCIのうち10人に1人は1年間で認知症に移行するが、認知機能が戻る人やMCIのままの人もいる。つまり、MCIを正しく知り、MCIの段階から早期発見に努めることが、認知症の予防やその後の生活を保つために重要である。これまでの認知症の治療法は症状を緩和するものだった。現在は新薬の登場により、病態の進行を遅らせる治療法が確立されつつあり、認知症治療の転換期にある。
新薬は有効だが、全ての方に処方できるわけではなく、認知機能低下を完全に止められるわけではないため、やはり「予防が大事」。地中海料理(緑黄色野菜、果物、魚、豆類、オリーブオイル等)は、認知症のリスクを下げることが知られているが、食事や運動などの生活習慣に気をつけることで、認知症になるリスクを減らすことができる。タンパク質が(認知機能悪化の原因となる毒素を持つ)繊維になることを抑制する機能を持つのが、緑茶や抹茶に多く含まれるカテキンだったという研究結果も出ている。
近年、認知症の定義は変わってきており、尊厳と希望を持って暮らすことができる共生社会が実現していく。早期に地域包括支援センターなどに相談をし、認知症を過度に恐れることなく、人生120年時代と言われる今を楽しんでほしい。
■内田 和彦氏 基調講演:「抹茶と認知機能~最新研究より」
各種調査から、中年期の生活習慣が、認知症予防に非常に重要であるという事が分かっている。どうすれば生活習慣の改善、すなわち認知症予防を日常的に取り入れていくことができるか、という観点から一番手軽である「食」に着目し、研究をスタートした。
今回の抹茶研究は、60歳から85歳の高齢者を939名募集し、そのうち、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)およびプレクリニカル期にあたる主観的認知機能低下(SCD)と診断された99名を選抜。「抹茶」の長期摂取による認知機能等への影響を、二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験により検証し、12か月という長期間の調査で世界でも類を見ない研究であった。結果、「抹茶」を継続摂取による睡眠の質を評価するスコアの改善、また社会的認知機能の改善傾向が見られた。
こういった知見を通し、皆さんに予防にしっかりと取り組んでいただきたいと考えている。リスクと予防効果の見える化を通して、認知症予防に繋げられるよう、MCBIメンバーズというプラットフォームサービスを無料で提供している。
※MCBIメンバーズ(
https://mcbi.jp/members/)•パネルディスカッション
~世界が注目する「最先端 抹茶サイエンス」社会にもたらす多面的メリットとは~
最前線で研究されている有識者によるパネルディスカッションでは、世界から注目される「最先端
抹茶サイエンス」について、「抹茶」が社会にもたらす多面的メリットについて議論しました。■世界が注目する「最先端 抹茶サイエンス」
緑茶の輸出額は364億円で10年前の約5倍と、外国人からの「抹茶」人気は非常に高い。基調講演の中でも新井先生が仰っていたが、地中海料理は世界的に見ても健康によいと言われている。地中海料理に緑茶、青汁のような飲み物をプラスした「グリーン地中海食」への研究も進んでおり、実際に認知機能の悪化を抑制するデータも出ている。「抹茶」には、老化制御ビタミンである可能性から世界で注目されているビタミンKや、食物繊維が豊富に含まれているため腸活にもつながる。世界の健康におけるトレンドのキーワードにも合致しており、手軽に美味しく摂取できる食材である。(西沢
邦浩氏)
「抹茶」には、テアニンを含むアミノ酸や、カテキン、ビタミンなど、体に良い成分が凝縮された究極のお茶。日本人にとって「抹茶」は「伝統的なもの」、あるいはスイーツなどの「フレーバーの一種」と考える人が多いが、海外の方から見た「抹茶」のイメージは「健康によい」というイメージが強く、これも海外輸出額を押し上げている一因であると考える。また、この、海外の方からの抹茶人気が「抹茶と健康」の研究を推し進めることにもつながっている。(瀧原
孝宣)
■生活の中に手軽に取り入れることのでき、認知機能の改善にもつながる食材“抹茶”
認知症対策のための新薬は開発されているが、適応範囲は限定的であり、症状を完全に食い止めるわけではないので、MCIのタイミングで「早期診断」と「予防」、「正しい生活習慣」が非常に重要。習慣的な運動、バランスのよい食事と合わせて、「孤立を防ぐ」ために閉じこもらずに外に出てコミュニケーションをとっていくことも重要である。また表情認知は前頭葉と関係があり、社会的認知機能(表情認知)とも強い関係性がある可能性がある。これまではある程度強い症状が出るまで、認知症と判定されなかったが、表情認知の検査によってより早期の発見ができる可能性を秘めている。(新井
哲明氏)
認知症とは日常生活ができなくなってはじめて診断される少し特殊な症状なので、症状が出る前に体の中を見える化し、予防方法を早期に提示して皆さんに実行していただきたいと考えている。(内田
和彦氏)
表情認知の低下は、コミュニケーションの低下からの孤立につながる可能性があるので、認知症予防の早期介入に非常に重要な因子であると感じた。なるべく早くから介入すべき理由のひとつとして、近年、血液中のタンパクを調べた大規模データによると、20~30代でも年齢以上に脳の老化が進行している人がいて、そこに大きな要因として生活習慣が非常に大きく関係している可能性があるという研究結果も出ている。また、中年期のLDLコレステロールも重要な因子だ。一方で長野県では中年期に「緑茶」を1日2~3杯継続的に飲んでいた人の方が、認知障害のリスクが少なかったという研究も出ている。年齢に関係なく、早期から予防をすることが大切。(西沢
邦浩氏)
40代から(脳の老化につながる)アミロイドβの蓄積は始まることが分かっているが、20代30代から予防をしていくことが必要であるとも今日の話を受けて感じた。また、運動をすることで脳の萎縮防止につながることも分かっているが、継続的に行わなければ悪化する。いかにバランスよく食事をとるか(魚や野菜、少量の乳製品)、そしてお茶の摂取は取り入れやすい予防方法だ。(新井
哲明氏)
認知機能への影響に加え、「緑茶・抹茶」には血中LDLコレステロールを下げる効果も期待されています。さらに、難聴やうつ病といったコミュニケーション障害につながる可能性のある症状に対しても、「緑茶・抹茶」の抗酸化作用や抗炎症作用が有効である可能性があり、今後の研究を進めていきたいと考えています。(瀧原
孝宣)
■これからの共生社会における抹茶の可能性と社会にもたらす影響
認知症と診断された人はデイサービスや訪問などの孤立しないためのシステムが整っているが、MCI向けの集いの場はまだ確立されていないため、今後適応したコミュニティやサービスを作っていくことが課題である。(新井
哲明氏)
認知症対策に最も効果的なのは運動であるが、継続的に生活の中に取り入れていくことは少しハードルが高い。「抹茶」のようなドリンクであれば比較的ハードルも低く生活の中に取り入れられると考える。(内田
和彦氏)
お茶そのものの効果も高いが、年代に関わらないお茶を介してコミュニケーションツールとして、活用していただきたい。また、抹茶というと茶道のような茶筅でしっかり泡立てるようなことを想像される方も多いと思うが、マイボトル(水筒)に「水」と「抹茶」を入れて振るだけで、楽しむこともできる。もっと手軽に、生活の中に取り入れてほしい。(瀧原
孝宣)
•登壇者
新井 哲明氏(筑波大学医学医療系 臨床医学域精神医学 教授)
1990年筑波大学医学専門学群卒業、筑波大学附属病院医員。医療法人社団有朋会栗田病院、東京都立松沢病院精神科、東京都精神医学総合研究所を経て2010年より筑波大学大学院講師、2016年より筑波大学附属病院精神神経科教授
兼 筑波大学附属病院 認知症疾患医療センター部長。2022年より筑波大学人間総合科学学術院長 兼 筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学教授 兼
筑波大学附属病院認
内田 和彦氏(株式会社MCBI 取締役会長)
1983年奈良県立医科大学医学部卒業、同大学院医学研究科で腫瘍病理学を専攻。1987年医学博士を取得。国立がんセンター研究所を経て、1989年筑波大学基礎医学系・腫瘍生物学講師。2003年に株式会社MCBIを設立。
2008年より筑波大学医学医療系准教授。2022年より株式会社 MCBI 取締役会長。
西沢 邦浩氏(株式会社サルタ・プレス 代表取締役)(日経BP 総合研究所メディカル・ヘルスラボ 客員研究員)
早稲田大学卒業後、小学館を経て日経BP社に入社。『日経ヘルス』の創刊と同時に副編集長に就任し、その後編集長を務めた。2008年には『日経ヘルス
プルミエ』を創刊し、編集長を兼務。2010年からはテクノアソシエーツのヴァイスプレジデントを務め、2014年に日経BP総研マーケティング戦略研究所上席研究員、2016年に主席研究員となる。2018年3月に日経BPを退社し、同社総合研究所客員研究員に。同年、株式会社サルタ・プレスを設立。現在は、同志社大学生命医科学部委嘱講師、順天堂大学医学部協力研究員、公益財団法人日本腎臓財団評議員、一般社団法人日本ガットフレイル会議エグゼクティブ・アドバイザー、社団法人ウエルネスフード推進協会評議員などを務める。講演やセミナー講師としても活躍するほか、雑誌やWebメディアで健康コラムを執筆される。
瀧原 孝宣(株式会社伊藤園 中央研究所 担当部長)
1988年大阪府立大学農学部卒業、伊藤園入社、中央研究所に配属。専門分野は、植物生理学、食品工学、健康心理学で、チャの水耕栽培および細胞培養による有用物質の生産、茶カテキンによる口腔衛生に関する研究のほか、茶成分の機能性表示食品化と、抹茶・茶成分の認知機能への影響に関する研究を推進。前中央研究所長。
モデレーター:大橋 毅夫氏(株式会社三菱総合研究所 ヘルスケア事業本部 主席研究員)
1999年3月慶應義塾大学大学院理工学研究科管理工学専攻修了。同年4月、三菱総合研究所入社。入社以来、各産業分野のヒューマンファクター・人間中心設計分野の調査研究や、ヘルスケア分野のデータヘルス・健康経営に関する調査研究・コンサルティングに従事。
•伊藤園中央研究所について
伊藤園中央研究所では、幅広い最先端技術を活かし「健康、おいしさ」の領域を中心に独創的な製品をつくり上げるための研究に取組んでいます。特に健康性は、今後の高齢化の課題に対処した食生活のあり方という点から製品価値を高めるためにも重要であると考えており、これらの研究成果を活かし、特定保健用食品や機能性表示食品の製品開発を進めております。また、おいしさを構成する要素を科学的に明らかにし、新たな飲用シーンを提案することで、皆様の食事をよりいっそうおいしく楽しめることが可能になるものと考えています。
当リリースの詳細について
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000034365.html
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