日本人と中国人における上まぶたの形態と年齢の影響 ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンの新研究

リサーチ&イノベーション ジャパンの新研究 Cosmetic Science& Technology 誌のオンライン版に掲載

世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本における研究開発部門であるロレアル リサーチ&イノベーション

ジャパン(研究所:神奈川県川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル、以下R&Iジャパン)のエバリュエーションインテリジェンスチームによる「日本人と中国人における上まぶたの形態と年齢の影響」と題する論文が2024年6月10日Cosmetic

Science& Technology 誌のオンライン版に掲載されました。

コロナ禍でマスクを着用する機会が増え、多くの消費者が目元に注目するようになりました。まぶたの形は加齢とともに変化します。多くの女性は加齢による見た目の変化に対応してアイメイク製品やスキンケア製品を使用しています。日本人女性の場合、まぶたのたるみに対する関心は40代後半から始まり、55歳からは目元に関する主な関心事となる傾向があります(未発表の社内消費者調査)。

一般的なアイメイクアップ製品は、目の特徴のコントラストと知覚される大きさを増加させることにより、若々しい印象を作り出すのに役立っています。本研究では、起源を同じくする日本人女性と中国人女性の上まぶたの3次元形態を明らかにするために、正面像と90度横顔像で、長さ、高さ、曲率など11項目の上まぶたパラメータについて、形態や加齢による変化を比較しました。

本研究は、ロレアル

リサーチ&イノベーションが2006年と2011年に中国、2009年に日本で実施した一連のタイポロジー(類型学)調査で得られたデータを分析したものです。東京圏に住む日本人女性772名(15~74歳)と、上海に住む中国人女性346名(18~79歳)を対象としました。全体として、日本、中国、両グループにおける上まぶたの形態は加齢とともに変化し、40歳で顕著になり始めることがわかりました。

目頭と目尻の間の水平距離であるまぶたの長さは、どちらの民族でも50歳を過ぎると減少しますが、特に中国人女性では顕著でした。これは目尻の上のたるみに関係していると思われます。目の傾きは、10代と20代の日本人女性と中国人女性の平均で約9度傾いており、年齢とともに水平になります。

横顔で観察すると、日本人、中国人ともに40代以降に上まぶたが目の上に突出し始め、外側の眼角を覆うようになりますが、中国人ではより顕著でした。逆に、まぶたの奥行きは、日本人女性の方が中国人女性よりも年齢とともに大きくなっていました。日本人女性は、まぶたが引き伸ばされ、薄くなり、目のくぼみが生じやすい一方、中国人女性のまぶたは下垂が顕著でした。

日本人と中国人女性の上まぶたの形態は、40歳前後から加齢とともに変化しますが、国による違いは若い年齢層では限定的で、年齢とともに顕著になります。ロレアルの発見は、上まぶたの部位によって加齢が及ぼす影響が現れる年齢に差があることを示唆しています。この研究結果は、消費者のニーズに合わせたアイメイクやスキンケアの開発に役立つと考えられます。

UDODAIRA, K., YOKOYAMA, E., ZHU T., WANG, Y., ZHAO, L., “Upper eyelid morphology

and age-related changes in Japanese and Chinese females”, Skin Res. Technol.,

2024; 30 e13604,

http://dx.doi.org/10.1111/srt.13604

* ロレアルグループについて

ロレアルは115年にわたり美容・化粧品業界のリーダーとして、世界の消費者の美への希求とニーズに応えることに専念してきました。当社のパーパス「世界をつき動かす美の創造」は、社会に対しても、環境に対しても、サステナブル、インクルーシブ、倫理的かつ寛大な形で美を通じて貢献してゆくという私たちの美への姿勢を包括的に表現するものです。

37の国際ブランドを初めとする多様で幅広いブランドポートフォリオと、持続的発展と環境を守るための取り組みである「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」プログラムを通じ、美の無限の多様性を賛美し、世界のすべての人々に最高水準の品質、有効性、安全性、誠実さ、責任をお届けします。当社は、9万人を超える従業員を擁し、地理的にもバランスの取れた拠点展開と、すべての流通網(eコマース、マスマーケット、百貨店、薬局、美容室、ブランドおよび旅行小売)における販路を有しています。

2023年のグループ売上高は411億8千万ユーロにのぼります。世界11ヵ国に20の研究開発と研究開発拠点を置き、4,000人以上の科学者と6,500人を超えるデジタル人財を擁するロレアルは、美の未来を創造し、ビューティーテクノロジーを推進してゆくことを重要視しています。詳細については、こちらをご参照ください。

https://www.loreal.com/en/mediaroom

* ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンについて

日本における研究開発は 1983 年にスタートし、現在、日本ロレアル

リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)として、戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。日本の文化、歴史、社会、人々やエコシステムについて40年以上にわたり深く理解し、知見を蓄積しています。200名以上の研究員が、ロレアルグループ傘下ブランドのさまざまな分野やカテゴリーで上流から下流の開発を推進しています。代表的なブランドはランコム、シュウ

ウエムラ、TAKAMI、キールズ、イヴ・サンローラン ボーテ、ケラスターゼ、メイベリン ニューヨークなど。

https://www.loreal.com/ja-jp/japan/articles/science-and-technology/beauty-research-and-innovation