世界最大規模の動物実験廃止に向けた活動を推進する基金、『Lush Prize 2024』の最終候補者が決定

~動物実験の代替を用いたボトックス試験など、日本を含んだ55のプロジェクトが候補に~

英国発のナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)および英国の消費者団体であるEthical Consumer Research

Association(エシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション、以下エシカルコンシューマー)は、動物実験の代替法開発および、動物実験廃止に向けた活動を推進する世界最大規模の基金、『Lush

Prize

2024』の最終候補者を決定いたしました。動物実験をしないボトックス試験や、日本からは心臓病の研究での動物実験を用いない技術、カナダでの化粧品検査に関する法律改正キャンペーンの成功まで、今回は合計55ものプロジェクトが最終選考に残りました。

本件に関するリリースはこちら

https://prtimes.jp/a/?f=d6160-587-d3d5e8e958fb81665e1eae3e3b2081e8.pdf

『Lush Prize(読み方:ラッシュ

プライズ)』は、2012年の創設以来、医療検査における動物の使用に対して既に対策を講じた数多くの研究やプロジェクトを表彰しており、消費者向けの製品や原材料に対する毒性試験の方法が変わっていくように働きかけています。毎回最大総額25万ポンド(約4,620万円※)の賞金が授与される、動物を使用しない実験分野で最大規模の賞金です。

いかなる理由においても動物実験を行っているサプライヤーからは原材料を購入しない、それが「No!動物実験」を掲げているラッシュの徹底したポリシーです。その理念に基づき、『Lush

Prize』は今回で9回目、2019年の応募から隔年で開催している基金です。2012年から2022年にかけて、『Lush

Prize』は35カ国126のプロジェクトにて300万ドル(約4億4490万円※)以上を授与してきました。

※ 1ドル148円換算、1ポンド185円換算

「No!動物実験」を掲げているラッシュのポリシー:

https://weare.lush.com/jp/lush-life/our-ethics/fighting-animal-testing/

『Lush Prize 2024』主な最終候補者

55ものプロジェクトの中でも、ジョンズ・ホプキンス大学のビョンギク・キム氏は、「Neuromuscular

Chip(神経筋チップ)」のモデルを開発しており、「ボトックスの効力測定における画期的な転換」をもたらすことを期待されています。キム氏は、『Lush Prize

2024』の35歳以下が対象の若手研究者部門の最終選考に残った世界中の15人のうちの1人です。

ボトックスはその調製方法から、販売される前にバッチごとに個別にテストをする必要があります。これは、ボトックス試験が動物実験全体の高い割合を占めていることを意味しています。ヨーロッパだけでも、毎年推定40万匹のマウスがボトックス実験で亡くなっている(※1)

とされています。 公式の数字によると、ボトックス生産量の40%以上が美容目的で使用され(※2)ています。

ボトックスは、2021年だけでも世界中で730万回以上の注射が行われており(※3)、最も人気のある非外科的美容整形術(※4)

であるとされています。‘LD50’として知られる動物試験は、1927年以来使用されており、粗悪で信頼性が低く、人間との関連性に欠けるという批判が多い中、

代替手段は既に存在していますが、使用されているとは限りません。そこで、ボトックス試験における最新の科学的アプローチを用いたすべての新しいイノベーションが重要であるとされています。

ビョンギク・キム氏のプロジェクトは、完全に動物を使用しないヒト細胞ベースの微小生理学的システムを確立することにより、ボツリヌス神経毒(BoNT)効力アッセイにおける画期的な転換を提示します。この革新的な戦略では、ヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)由来の運動ニューロンおよび筋線維を利用したハイスループットでコンパートメント化されたプラットフォームを用いることで、動物実験や動物由来製品の必要性を排除することが可能となります。

日本からは、東京女子医科大学の菊地鉄太郎博士が最終候補者に入りました。本研究では幹細胞(人体中の任意の細胞になれるよう設計された細胞)を含むヒト多能性幹細胞、そして心臓のドーム型(ドーム型心筋組織)の構造を再現し、血流のための拍動を模倣するよう研究室で設計された組織が使われています。このような高い技術により動物実験をすることなく心臓病を治療するための新薬の試験を行うことが出来るようになります。人体に近い状態での実験をすることが出来るだけでなく、動物実験では予測することが出来ない人間の心臓のトラブルや実験による動物への苦しみを排除することにもつながります。

<参考資料は全て英語になります>

※1:

https://www.altex.org/index.php/altex/article/view/1138

※2:

https://www.aerzte-gegen-tierversuche.de/en/basic-infos/other-topics/botox

※3:

https://www.gov.uk/government/news/government-to-crack-down-on-unregulated-cosmetic-procedures

※4:

https://www.statista.com/statistics/293449/leading-nonsurgical-cosmetic-procedures/

全最終候補者は下記よりご覧いただけます。

https://lushprize.org/ja/

『Lush Prize』について

『Lush

Prize』は、動物実験に頼らない研究開発支援や動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的に、ラッシュとエシカルコンシューマーが共同で2012年に設立しました。動物を使用しない実験分野では世界最大規模、動物実験代替法を推進し、1R※にフォーカスする唯一の賞です。「世論喚起部門」「サイエンス部門」「トレーニング部門」「ロビー活動部門」「若手研究者部門」の5分野における個人の受賞者および受賞団体へ、毎年最大総額25万ポンド(約4,250万円※)を授与しています。

日本、中国、ケニヤ、イラン、ウクライナ、インド、ニュージーランド、ブラジル、アメリカ合衆国、そして12のヨーロッパ諸国といった、南極大陸を除く全大陸にわたる多種多様な国々の研究者と団体を支援する、まさにグローバル規模の基金です。

Lush Prize公式ウェブサイト(日本語)

http://www.lushprize.org/ja/

※ 1Rとは、動物実験の基準についての理念として3R(「Replacement(代替)」「Reduction(削減)」

「Refinement(改善)」)が掲げられており、Lush

Prizeでは、動物を使用しない実験方法への転換を意味する「Replacement」のみを評価しています。

『Lush Prize』の主な賞のカテゴリー

<参考>

毎年、世界中の実験室で使用される動物の数は約2億匹を超えると推定されています。(※1)

使用される一般的な動物は、ウサギ、モルモット、マウスやラットなど。化粧品開発の動物実験では、化学物質を点眼したり、毛を剃った皮膚に化学物質を塗りこんだり、致死量にも相当するほどの大量の化学物質を経口投与したりするのです。ラッシュが考える、原材料や完成した商品の安全性を確認するための最も効果的で人道的な方法は、動物を使わない最先端の安全性試験とボランティアの人達による討論会です。ラッシュは、商品や成分についての動物実験を一切行っていません。第三者に動物実験を委託するサプライヤーとも関与していません。いかなる理由においても動物実験を行っているサプライヤーからは原材料を購入しない、それがラッシュの徹底したポリシーです。

※1 英語参考資料:

https://perspectivesblog.sagepub.com/blog/guest/nearly-200-million-animals-used-in-medical-research-worldwide

Ethical Consumer Research Associationについて

Ethical Consumer Research

Association(エシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション)は、社会問題、動物福祉問題、環境問題に関する独自の調査を専門とする非営利の研究協同組合です。

(www.ethicalconsumer.org)

ラッシュについて

ラッシュは、新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランドです。約95%の商品がヴィーガン対応です。エッセンシャルオイルをふんだんに使用し、動物実験をせず、可能な限り合成保存料に頼らない処方で手作りしたスキンケア、ヘアケア、バス製品などですべての人の健やかな肌や髪のために役立ちたいと考えます。原材料の新鮮さ、本質的な意味においてオーガニックであることに価値をおいて開発する商品は、フレッシュなうちに使用することで原材料の効果を最大限実感することができると信じています。

「ラッシュ」の名が示す通り、毎日の生活を「みずみずしく豊か」に、よりハッピーでヘルシーなものにしたいと考えます。倫理的であること、そしてサステナビリティのその先を目指し、原材料調達から商品開発やパッケージの資材調達など、リジェネラティブであること(再生可能性)を最優先にあらゆる企業活動を行っています。

(

https://www.lush.com/jp/)

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