不可解なトランプ人気の深層を、入念な現地取材で解き明かす! 辻浩平『トランプ再熱狂の正体』(新潮新書)が8月19日発売
辻浩平『トランプ再熱狂の正体』(新潮新書)が8月19日発売 前回大統領選の敗北を受け入れず、司法当局の追及も受ける男に、なぜ米国民は再び熱狂するのか――。
11月の投票日を前に、米大統領選はますます熱を帯びています。共和党の候補者はトランプ元大統領。前回選挙での敗北の結果を受け入れず、司法当局の追及も受ける男に、なぜ国民は再び熱狂するのでしょうか。
しかし、国外から見れば不可解な現象も、支持者の声にじっくりと耳を傾けると、その正体が浮かび上がります。トランプ支持には相応の論理があり、共感を呼ぶものも少なくありません。
アメリカの「今」を解き明かす第一級レポート『トランプ再熱狂の正体』(新潮新書)は、8月19日に発売されます。
本作は、2020年から23年まで、アメリカの首都ワシントンで取材を続けたジャーナリストが、トランプを支持する人たち
について書いた本です(トランプ本人について書いた本ではなく)。
トランプを支持する人たちは、決して偏った極端な思考にとらわれていたり、事実から目を背けたりしているわけではありません。
彼らがトランプを支持する背景には、多くの人が共感する要素もたくさん含まれています。日本ではトランプ支持者は時に「変わった人たち」として少しアンフェアな捉え方で描かれることもありますが、そうした捉え方では、アメリカの「今」を正確に理解することはできません。
いまアメリカで「メリークリスマス」という言葉は使われにくい言葉だそうです。クリスマスはキリスト教徒にとっては祭日ですが、他の宗教の人々にとっては特別な日ではありません。であれば、「メリークリスマス」はポリティカリー・インコレクト(政治的に正しくない)であり、「ハッピー・ホリデイズ(良き休暇を)」というのが正解、ということになります。
これに象徴されるようにアメリカの価値観は急速に変化しています。こうした変化に対して自分たちが慣れ親しんできたアメリカが変わっていくことへの反発や焦り、不安を覚える人は少なくありません。
「アメリカを再び偉大に」(Make America Great
Again=MAGA)というトランプの決めぜりふが多くの人の共感を呼ぶのはそのためです。その底流には、都市部に住み、自分たちとは異なる価値観を持ち、自分たちの声に耳を傾けようとしないエリートたちに対する、
保守層のフラストレーションがあります。そして、このMAGAの考え方は、トランプが大統領選で敗れたとしても、保守層の間に残り続けることになります。
本書はこの分断の実相を、綿密な取材で明らかにします。
そしてその分断は、実はアメリカだけではなく、日本でも起こりつつあることなのです。
■目次
第1章 トランプか、バイデンか──終わりなき「係数ゼロ」の非難合戦
第2章 保守か、リベラルか──若年世代の教育を揺るがす「文化戦争」
第3章 「私たち」 か、 「彼ら」 か──浸透する陰謀論とキャンセル・カルチャー
第4章 選挙不正か、民主主義の危機か──ぶつかり合う 「正義」 の合わせ鏡
第5章 ファクトか、フェイクか──ピンクスライム・ジャーナリズムの勃興
第6章 共和党か、民主党か──アイデンティティ政治が加速させる分断
終 章 想像を超える分断と向き合う
■内容紹介
2024年の米大統領選に、トランプが帰ってくる。前回選挙の敗北を受け入れず、司法当局の追及も受ける男に、なぜ国民は再び熱狂するのか。国外から見れば不可解な現象も、支持者の声にじっくりと耳を傾けると、その正体が浮かび上がる。トランプ支持には相応の論理があり、共感を呼ぶものも少なくない。選挙が終わっても国民を分断する価値観の衝突は終わらない。アメリカの「今」を解き明かす第一級レポート。
■著者紹介
辻浩平(つじ・こうへい)
NHK報道局国際部記者。早稲田大学政経学部卒。2002年NHK入局。エルサレム支局長、政治部などを経てワシントン支局(2020~23)でホワイトハウスを取材。現ウラジオストク支局長。英オックスフォード大学では客員研究員としてメディアの信頼低下について研究。
■書籍データ
【タイトル】トランプ再熱狂の正体
【著者】辻浩平
【発売日】8月19日
【造本】新書版
【本体定価】924円(税込)
【ISBN】 978-4106110436
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