トーチがChromaJeanと創薬研究の自動化に関する協業を開始
研究開発の自動化に特化したロボットシステムインテグレーターであるトーチ株式会社(代表取締役社長:石澤
祐介、本社:東京都江東区)と分析・分取の仕組み化技術を有する株式会社ChromaJean(代表取締役社長兼CEO:三輪
勝彦、本社:神奈川県藤沢市)は、創薬研究の自動化を実現するために協業を開始しました。最初の取り組みとして、研究者の業務時間や装置・消耗品費用を多く要する分析・分取プロセスに関して、少ない時間と費用で高品位な成果を得ることができる研究環境の実現を目指します。
【ポイント】
* 創薬の研究開発費は増大する一方、成功率は低下しており、医薬品メーカーにとって研究生産性の改善は重要な課題となっています。
* 本協業において、ChromaJeanは、創薬研究における分析・分取を誰でも成功できるよう「仕組み化」し、トーチは、仕組み化された作業フローを自動で実施するロボットシステムを構築します。
* 分析、分取プロセスは創薬研究のボトルネックとなっていることから、本取り組みは、研究全体(デザイン→合成→分析・分取→薬理試験)の自動化と研究生産性の向上を加速します。
【詳細】
創薬研究には多額の研究開発費を要するにもかかわらず、新薬創出の成功率は低下してきており、研究生産性の改善が必須となっています。初期の創薬研究においては、「デザイン」「合成」「分析・分取」「薬理試験」の4つのプロセスで構成されるサイクルを回すことで医薬品の候補となる化合物を探索する研究がおこなわれています。近年では、ロボットを活用したラボラトリー・オートメーション(実験室の自動化)によって、このサイクルを効率的に回し、研究生産性を向上しようという取り組みが増えてきています。
ロボットが実験業務を実行できるようにするためには、その実験業務を誰でもロボットでも成功できる状態に整える必要があります。しかしながら、液体クロマトグラフィーを用いた分析・分取のプロセスは、他の3つのプロセスと比較して、研究者の経験と勘に依存し、属人的な業務となっているケースが散見されます。そのため、ロボット導入に必須となる要件定義が困難であり、自動化が遅れています。
ChromaJeanは、液体クロマトグラフィーを用いた分析・分取に関して、いつでもどこでも誰でも同じ結果を得られるような仕組みを構築し、熟練者の経験と勘に依存しない分析・分取プロセスを実現しています。すなわち、誰でもロボットでも成功可能な実験環境を整備することができます。
トーチは、研究開発の自動化に特化した専門インテグレーターであり、ロボティクスを用いた自動化技術で研究プロセスをシームレスにつなぐノウハウを持っています。
両者の協業により、分析・分取プロセスの自動化を目指します。さらに、合成によって得られた粗生成物の取り扱い(前工程)や分取によって得られた目的物の薬理試験・ライブラリ保管(後工程)との連動についても、ChromaJeanによる仕組み作り、トーチによるロボット化を検討していきます。これにより、合成完了から目的物の取得までを、熟練者の経験と勘に依存せず、昼夜を問わず遂行することができます。
トーチは、創薬研究をより一層加速する取り組みとしてChromaJeanとの業務提携を決定し、新薬創出に貢献してまいります。
【コメント】
* 株式会社ChromaJean
代表取締役社長 三輪 勝彦
トーチ様によるロボット技術と、弊社のクロマトグラフィー工程の仕組み化技術は非常に相性が良く、大きな相乗効果が期待できます。近年の潮流であるラボ・オートメーションの中核を担うロボティクスの取り組みに対して、両社の連携は導入コストを大幅に下げられることがわかってきました。これにより、ラボ・オートメーションへのアクセスの容易さが高まるものと期待しています。
* トーチ株式会社
代表取締役社長 石澤 祐介
ChromaJean様により仕組み化された分析・分取工程はロボットで自動化しやすいものであり、非常に親和性が高く、効果的にロボットを導入し、生産性を向上することが可能と考えております。ChromaJean様と共に、研究者がより想像に没頭できる世界を実現し、新薬創出に貢献できるよう全力で取り組んでまいります。
【会社概要】
◆株式会社ChromaJean
代表取締役社長 三輪 勝彦
〒251-0012 神奈川県藤沢市村岡東二丁目26番地の1
◆トーチ株式会社
代表取締役社長 石澤 祐介
〒135-0063 東京都江東区有明3-7-26有明フロンティアビルA棟1F
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