難治性呼吸器疾患の根本原因にアプローチする新たな治療法開発に挑む創薬ベンチャーEVerMed社に早稲田大学ベンチャーズ(WUV)から約2.5億円の創業投資を実行
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早稲田大学ベンチャーズ株式会社(WUV) プレスリリース:2024年08月09日 報道関係者各位
難治性呼吸器疾患の根本原因にアプローチする新たな治療法開発に挑む創薬ベンチャーEVerMed社に早稲田大学ベンチャーズ(WUV)から約2.5億円の創業投資を実行
早稲田大学ベンチャーズ(WUV)はWUV1号ファンドより、細胞外小胞を用いた難治性呼吸器疾患治療薬を開発する、株式会社EVerMedに約2.5億円の創業投資を行いました
早稲田大学ベンチャーズ株式会社(WUV)は、当社が設立したWUV1号投資事業有限責任組合(WUV1号ファンド)の新規案件として、細胞外小胞(Extracellular
Vesicle: EV)を用いて難治性呼吸器疾患の根本原因にアプローチする新たな治療法を開発する、株式会社EVerMed(エバメド、本社:東京都港区、代表取締役
松田直人、以下EM社)に約2.5億円の創業投資を行いました。
【概要】
EM社は2024年4月15日に設立されたディープテック・ベンチャーです。東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター次世代創薬研究部部長である藤田雄准教授による、細胞外小胞(EV)を用いた難治性呼吸器疾患の治療に関する研究を技術コアとしています。藤田准教授は呼吸器内科医であり、また難治性呼吸器疾患の病態解明と創薬開発・再生医療に取り組んでいる細胞外小胞(EV)研究の第一人者でもあります。藤田准教授の長年の研究シーズを基に、これまで対処療法しかなかった呼吸器疾患について根本的治療薬の実現に挑みます。すでに国内製薬会社との販売ライセンスオプション契約を締結したパイプラインを有するなど、治療薬の実現に向けて高い期待が寄せられています。
【EV医薬品について】
細胞外小胞(EV)とは、細胞が分泌するエクソソームなどの顆粒の一種で、多様なタンパク質や核酸を内包しており、この小胞が別の細胞に取り込まれることで細胞間の情報伝達に関与していることが知られています。EV医薬品は、この細胞間情報伝達という生体メカニズムを利用した新規創薬モダリティです。従来の低分子・抗体医薬品のような1対1対応でのターゲットではなく、複数の分子カクテルが同時に作用するマルチターゲットが可能となるため、例えば複雑なシグナル伝達系が関与する加齢性疾患などに対し、これまでにない薬効が期待されています。また、EVはヒト細胞由来の天然成分であるため生体適合性が高いことも医薬品としてのメリットとして挙げられます。
【EM社の基幹技術】
EV医薬品研究の中で、藤田准教授は長年にわたり特発性肺線維症(IPF)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった細胞老化をともなって引き起こされる病態の解明に取り組まれ、疾患の根本原因となる組織細胞の形質的変化を特定、それに対し周辺組織に存在する健常な細胞のEVを投与することで高い治療効果を出し得ることを、細胞やモデル動物の実験で確認しています。またEVの精製方法や安定に流通させ得る製剤技術も構築しています。
EM社のEV医薬品は、疾患のメカニズム解明によってその疾患に最適な特定細胞由来のEVを探索・改変するアプローチをとっている点で革新的であり、これまで汎用的に用いられてきた間葉系幹細胞(MSC)由来のEV医薬品よりも高い薬効が期待されます。IPFやCOPDといった細胞老化が関わる難治性呼吸器疾患は、現時点では最終的な病態(線維化)の進行を抑える薬や酸素吸入や苦痛緩和といった対症療法しか存在せず、EM社のEV医薬品が実現すれば、世界初の根本的な治療法となることが期待されます。
出所:学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学特発性肺線維症(IPF):
世界患者数約80万人、5年生存率20-40%と極めて予後の悪い難治性呼吸器疾患で、日本では指定難病の1つ。原因は不明だが加齢や喫煙がリスク要因とされ、肺胞壁の破壊と修復が繰り返されるうちに、過剰な修復反応により肺胞壁が線維化を起こし、肺機能が低下する疾患です。EM社の基幹技術である分化能のある気道上皮細胞から分泌されるEVは、肺細胞の老化抑制、炎症抑制、線維化抑制作用を有し、IPFの病態メカニズムの根本から疾患を抑制することが期待されます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD):
世界患者数約1.6億人、日本国内での年間死亡者数1.7万人(国内死因第9位)の難治性呼吸器疾患の1つ。喫煙等の有害物質吸入と加齢が原因となり、末梢気道の線維化と肺胞壁の破壊修復により慢性的に肺機能が低下していく疾患です。EM社の基幹技術である代謝調節薬によって誘導される改変型線維芽細胞から分泌されるEVは、肺胞上皮細胞の前駆細胞の増加・分化を促進して正常な肺細胞を再生する効果が期待されています。
【EM社のEVパイプライン】 1. EM-001:気道上皮細胞EVによる特発性肺繊維症(IPF)治療薬
2. EM-002:改変型線維芽細胞EVによる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬
EM-001特発性肺線維症(IPF)治療薬については、2024年8月2日に杏林製薬株式会社と国内販売ライセンスオプション契約を締結し、治療薬の実現に向けた本格的な開発に乗り出しています。
(ご参考:杏林製薬株式会社様 ニュースリリース
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)【創業者】
代表取締役社長兼CEO Co-Founder 松田 直人/Naoto Matsuda
早稲田大学大学院応用化学専攻卒業。富士写真フィルム株式会社にて材料開発、新製品研究開発、人事採用、医薬品事業を経験。その後再生医療業界団体である(一社)再生医療イノベーションフォーラム事務局長、レグゼル株式会社の設立及び代表取締役就任、複数のバイオベンチャーの創業や事業推進の支援経験を経て、現在はNanoSuit株式会社経営企画部長および日新イーエム株式会社代表取締役を兼任。
取締役CTO Co-Founder 藤田 雄/Yu Fujita
東京慈恵会医科大学卒業、医学博士。臨床研修の後、国立がん研究センター研究所(落谷孝広博士研究室)、カルフォルニア大学サンディエゴ校モーレスがんセンター、サンフォード・バーナム研究所、東京慈恵会医科大学呼吸器内科講師、東京慈恵会医科大学エクソソーム研究講座講師を経て、現在は東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター次世代創薬研究部准教授および国際細胞外小胞学会Board
member at Large、日本細胞外小胞学会理事、日本内学会総合内科専門医、呼吸器専門医。【株式会社EVerMedについて】
難治性呼吸器疾患の根本的治療に挑むEV創薬ベンチャー設立:2024年4月15日所在地:東京都港区西新橋三丁目25番8号株式会社EVerMed共同創業者:
代表取締役CEO 松田 直人取締役CTO 藤田 雄E-mail:[email protected]:http://evermed.jp/
早稲田大学ベンチャーズ株式会社(WUV)は、早稲田大学の建学の精神「早稲田大学教旨」の1つである「学問の活用」を図るスタートアップ企業を創設し育成することで、学問の知見や研究成果を社会に実装し、人類社会の進化と幸福、ならびに持続可能性に貢献する事業と産業を創出することを本旨として設立されたディープテップ分野の創業投資に特化したベンチャーキャピタルです。
設立:2022年4月5日所在地:東京都新宿区共同代表:山本哲也、太田裕朗E-mail: [email protected]:
https://www.waseda.vc/ 当リリースの詳細について
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000106997.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000106997.html
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